生成AIを巡る日本の現状は? 東大・松尾教授の考察資料が無料公開 「1年間、日本は最善手を指し続けている」
内閣府は5月23日、「第9回 AI戦略会議」で取り扱った資料を公開した。同会議は22日に開催したもので、AI研究の権威として知られる東京大学の松尾豊教授が作成した「生成AIの産業における可能性」と題した全33ページの資料などを閲覧できる。資料は、ここ1年間での生成AIを取り巻く日本の動きをまとめており、各産業でどのようなAI活用方法があるか考察している。
資料内で松尾教授は、日本のAI政策について「デジタルの領域は、グローバルな競争の中で全般に苦しい戦いが続き、AI政策も厳しい状態からスタートしている」としつつ「ここ1年、日本は最善手を指し続けている」と説明。「広島AIプロセス」などグローバルの議論でリーダーシップを発揮している点や、AI関連予算費を増やしGPUの増強に当たっている点などを評価している。
「(グローバルの立ち位置で)日本の存在感が増しており、海外のAI事業者が日本でのAI推進を進めている。OpenAIがアジア初のオフィスとして日本に拠点設置。海外のビッグテックやSakana AIなどのスタートアップも日本に拠点を置くことを計画。また、海外の要人の来日も多い」(資料内から引用)
なぜ日本が世界から注目を集めているのか。松尾教授は大きく3つの理由が挙げている。国全体でのAIに対する積極的な取り組みするなど「AIへのポジティブな反応」と、円安が強まったことも相まっての「人件費の安さ」、世界的な売り上げを誇る企業が数多くあるが故の「大企業のDX余地が大きい点」がポイントだという。
これらのことから、日本のAI活用の可能性について「伸びしろが大きい」と松尾教授は指摘。他国と共同して大規模言語モデルの作成に当たるなどのグローバル展開や、産業別での生成AIの活用方法やそこから考えられる新しい展開などを提案している。
「この1年間の取り組みを通じ、正しい戦略でやるべきことを進めれば、グローバルにもある程度の勝負になると感じている。ぜひ生成AIの技術が、日本の産業をエンパワーし、人材の能力を引き出し、人々の生活を豊かにする手助けができればと考えている」(資料内から引用)
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