CEDEC 2024
人間のさらにその先へ──将棋AIはまだ強くなれるのか? 「水匠」と「やねうら王」の開発者が語る“歴史と未来”(2/3 ページ)
そこで将棋AI「Bonanza」開発者の保木邦仁さんが、人間の棋譜からAIが自動的にパラメータを調整する「最適制御理論」を発表。さらにその後、機械学習でもよく使われる手法「確率的勾配降下法」でもパラメータを調整できることが判明し、評価関数の自動調整が進んでいった。
これにより、一般的な機械学習の枠組みでも将棋AIの調整が可能に。さらに進化を続けた結果13年には、冒頭でも言及した通りAIのponanzaがプロ棋士相手に勝利を収めた。このponanzaもαβ法と機械学習による評価関数パラメータの自動調整を利用していたという。
人間を超えた将棋AIの現在
その後も、高額な賞金を出す将棋AIの世界大会の出現や、やねうら王のオープンソース化など、環境的な要因も手伝って、将棋AIはさらなる発展を遂げていく。そんな将棋AIには現在、大きく分けて2種類のモデルがあるという。
1つは水匠など「NNUE評価関数」を組み込んだモデルと、もう1つは「ディープラーニング」を用いたモデルだ。24年時点ではどちらのモデルも拮抗した実力を持ち、同様に世界大会で活躍しているという。
前者は、従来の将棋AI開発の流れを引き継ぐもので、NNUE評価関数を搭載している。NNUE評価関数とは、3層程度のニューラルネットワークで構成した評価関数で、CPUで高速に動作できるのが特徴だ。これにより、従来の将棋AIよりも計算効率が向上。プロ棋士の棋譜ではなく、将棋AIが自動生成した棋譜データの学習が主流になるのも相まって発展していった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
国産AI開発「ラストチャンス」の局面へ ノエトラが「44社が出資・国が最大1兆円支援」の追い風を背に向かう先
-
2
なぜ今? 東芝が「HDD」生産能力を強化 AI時代に狙う「データインフラ需要」の在りか
-
3
「トークン単価は8割下がった。なのに請求額は増えた」――その“見えないAI浪費”の正体
-
4
【レベル16】3D CADモデルを魅力的に見せよ!
-
5
不正アクセスなぜ急増 原因はAIか、それとも…… 専門家の見解は
-
6
「クレームこそ最大の商機」 合成紙大手ユポが半世紀貫く“コト売り”と、AIによる暗黙知継承
-
7
Claude Coworkの「ローカル実行」オプションが廃止 モデル推論、VM共にクラウド実行へ
-
8
国産汎用ロボットによるフィジカルAIのデータ収集で7社が競う、試作機を披露
-
9
ITエンジニアの8割超「AIは人間より優れた判断をする」と認める “でも任せられない”業務とは
-
10
フィジカルAIは「ロボット単体」では成り立たない NTTドコモビジネスが示すIoTからの進化の道筋
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR