「GPT-5.2」登場 「Gemini 3」の“コードレッド”後、性能を大幅強化
米OpenAIは12月11日(現地時間)、専門的な知的労働と長時間稼働するエージェント向けの最新フロンティアモデル「GPT-5.2」を発表した。ChatGPTでは「Instant」「Thinking」「Pro」の3種として、同日から有料プラン(Plus、Pro、Go、Business、Enterprise)向けに順次ロールアウトを開始し、APIでは「gpt-5.2」「gpt-5.2-chat-latest」「gpt-5.2-pro」として既に利用可能になっている。
このリリースは、米Googleの最新モデル「Gemini 3」に対する競争が激化する中で、サム・アルトマンCEDOが社内で「コードレッド(緊急事態)」を宣言した直後に公表された。
従来のGPT-5.1はChatGPTの有料ユーザー向けに3カ月間レガシーモデルとして併存させ、その後提供を終了する計画だ。一方APIでは、GPT-5.1やGPT-5、GPT-4.1を当面廃止せず、十分な予告期間を設けてから非推奨化する方針。
GPT-5.2は、前世代よりも汎用的な知能、長文コンテキストの理解力、エージェント的なツール呼び出し能力、画像理解性能などが大きく向上したとする。例えば知的労働タスクでは、44職種にわたる実務タスクで人間の専門家と比較するベンチマーク「GDPval」で人間より勝るか引き分けの割合が70.9%となり、GPT-5世代の38.8%から大きく伸びたという。
長文コンテキストについては、25万トークン規模の入力でも、長い文書群に埋め込まれた複数の「ニードル」情報をほぼ完全に再現する評価でほぼ100%の正答率を達成し、契約書やレポート、研究論文、多数のファイルからなるプロジェクトといった長大な資料を扱う業務に適するとしている。
画像理解でも、グラフやソフトウェアUIに対する誤答率をほぼ半減させ、ダッシュボードや製品画面、技術図面など視覚情報が中心となるワークフローでの利用を想定する。
さらに、カスタマーサポート領域のエージェント評価「Tau2-bench Telecom」では、ツール呼び出しの成功率98.7%を記録し、複数ツールを跨いだ長いワークフローを安定して完遂できるようになったとアピールした。
ChatGPTでは、GPT-5.2 Instantを日常的な検索やハウツー、技術文書、翻訳などに向く高速モデル、GPT-5.2 Thinkingをコード作成や長文要約、ファイル解析、計画・意思決定支援といった重めのタスク向け、GPT-5.2 Proをより難度の高い専門的な質問に対する最上位モデルと位置付ける。
安全性面では、GPT-5で導入した「Safe Completion」手法をベースに、自殺念慮や自己傷害、メンタルヘルス、モデルへの過度な情緒的依存に関する応答の品質を改善したと説明し、未成年ユーザー向けには年齢推定モデルを用いて自動的にコンテンツ保護を適用する仕組みの導入を進めている。
OpenAIに出資する米Microsoftは同日、GPT-5.2を「Microsoft 365 Copilot」および「Microsoft Copilot Studio」に導入したと発表した。CopilotのモデルセレクターからGPT-5.2を選択できるようにするとともに、Microsoft 365 Copilotライセンス保有ユーザーには同日から順次ロールアウトし、Microsoft 365 Premium購読者には翌年初頭から展開するとしている。また、Copilot Studioでは早期リリース環境で利用可能となり、既存のGPT-5.1ベースのエージェントは自動的にGPT-5.2へ移行するとしている。また、米Perplexityは、GPT-5.2が「Perplexity」のProとMaxプランの加入者全員に対して利用可能になったと発表した。
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