人工知能学会「AIは人間を代替しない」 社会実装へ4提言 安保・著作権にも言及
人工知能学会は6月15日、設立40周年にあたり、日本におけるAIの社会実装に向けた提言を発表した。「AIは『人間に取って代わる存在』ではなく、『人間の知性と創造性を拡張し社会の持続可能性を支える技術』」として、人とAIの共生のために注力すべき4本の柱を掲げた。
1つ目は「独創的なAI研究と持続可能な研究基盤の強化」だ。既存技術の追随にとどまらない独自技術を生み出すため、研究の支援や計算資源の強化・効率化などに取り組むべきと主張した。
2つ目は「人間の知性と学びを支えるAI活用の確立」だ。人工知能学会は、AIへの依存は思考力や判断力の低下につながる恐れがあると指摘する。教育現場にAIを導入する際には、学習者が主体的に考えられるよう教員や保護者の支援が重要とした。
3つ目は「公共性・安全保障・倫理に基づく責任あるAIの推進」だ。「防衛、サイバーセキュリティ、重要インフラ保護などにおいてAIの活用可能性が高まる一方、その利用には、人権、平和、民主主義、国際秩序との整合といった重要な論点が伴う」として、技術的な観点にとどまらない幅広い議論の必要性を訴えた。
4つ目は「社会課題解決とAI共生社会に向けた制度基盤の構築」だ。AIやロボティクスの社会実装と同時に、雇用・産業構造の変化に応じたリスキリングなどを推進。著作権をはじめとする法制度やガバナンスも整備し、AIの利活用と権利保護を両立できる体制を求めた。
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