OpenAIが明かす、新職種「FDE」の実態 半年で様変わり、「仕事の7割が消滅」したことも
「FDEの仕事の約7割が消えた」――米OpenAIのColin Jarvis氏(Global Head of Forward Deployed Engineering)は、2月に起きた変化についてこのように振り返る。
FDE(Forward Deployed Engineering)は、昨今、OpenAIをはじめとするAI開発企業の間で注目を集める新たな職種だ。多くの場合、顧客と現場で連携しながら、AIシステムの設計から開発、運用までを一気通貫で担うとされる。
FDEの働き方とはどのようなものなのか。Jarvis氏は、OpenAIが6月16日に開催した開発者コミュニティー向けのイベントに登壇。参加者からの質問に答える形で、FDEの実態や今後の展望を語った。
「FDEの役割、半年ごとに変わる覚悟を」
Jarvis氏によると、OpenAIのFDEは「顧客と協力して最も困難な課題の解決に取り組む」。主な手法は2つあり、既存のAIモデルで対応できる場合、より効率的に課題を解決できる製品やプラットフォームを構築する。対応できない場合、研究チームと協力してAIモデルを改良するという。
2月に仕事の約7割が消えたきっかけは、OpenAIのAIエージェントサービス「Codex」の性能向上だ。
従来はAIシステムの各ワークフローを作成し、性能を評価して組み合わせるという従来型の開発手法を採用していた。一方、Codexの性能が高まったことにより、Codexを中核に据え、AIエージェントにタスクをこなす手順や必要な知識を教える「スキル」を構築する形で開発を進めるようになった。
「今では多くのことをCodexに任せており、例外的な場合にのみ足場(処理を助ける土台)を構築している」(Jarvis氏)
この転換を受けて「FDEの役割はどうなるのか」とJarvis氏に聞いたメンバーもいた。同氏は、AIで解決できる課題はまだ膨大にあるとして、「役割が半年ごとに完全に変わることを覚悟しておかなければならない」と答えたという。
Jarvis氏は「開発現場の状況は急速に変わる」と語る。同氏が携わる半導体分野の業務では、当初コードベースのシミュレーションが中心だったものの、Codexによって物理的な設計などにも対応できるようになった。
こうした変化に追い付くため、FDEのチーム向けにブートキャンプ(短期集中の学習プログラム)を実施しており、内容も6週間ごとに更新している。「2年後には物理工学に近いエンジニアリングのスキルセットになっているかもしれない」とJarvis氏。FDEの役割は今後も変わり続けるとの見方を示した。
「問題を解決するために使うツールそのものではなく、問題そのものに焦点を当てる。AIモデルでは対応できない領域を見つけ出し、それを埋めていくという最前線へと、FDEの役割は移り変わり続けるだろう」(Jarvis氏)
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