国内ユーザー数「前年比1582%増」――AI開発支援「Devin」は競合と何が違う? 日本法人代表が語る事業戦略
「2025年比で日本国内のユーザー数は1582%増えた」――ソフトウェア開発向けAIエージェント「Devin」について、米Cognition AI日本法人の正井拓己代表はこのように胸を張る。
Devinはソフトウェア開発を自律的に支援するAIサービス。クラウド上でタスクをこなす「Devin Cloud」とIDE型の「Devin Desktop」、ターミナル型の「Devin CLI」で構成される。コードの生成にとどまらず、設計から実装、運用まで一気通貫で担えることが特徴で、“エンジニアの同僚との共同作業”のような体験を実現するとうたう。
Devinを手掛けるCognition AIは23年に設立された。25年にはAIコーディングエディタを開発する米Windsurfを買収し、26年4月にアジア初の拠点となる日本法人を立ち上げた。6月24日に開催した日本法人の事業戦略説明会で、正井代表が日本市場におけるDevinの活用事例や展望を語った。
エンタープライズ事業に注力
正井代表によれば、日本では26年4月以前から連携するパートナー企業を通じてDevinを提供しており、日本法人設立以降は直接取引の案件も増えている。5月時点で国内ユーザー数は25年比1582%、導入企業数は140%に達したとアピールする。
導入事例も複数出てきている。ディー・エヌ・エーでは、全社で約3000人の従業員がDevinを利用している。レガシーシステムの刷新では、これまで半年を想定していたプロジェクトを約1カ月で完遂した。他にも、金融や公共分野での導入も進んでいるという。
日本市場でのさらなる拡大に向け、正井代表はエンタープライズ事業に注力する方針だ。主に企業内部のAI活用やDX推進の支援と、SIerの開発生産性の向上の2つに焦点を当てる。ユースケースとしては、特に古いシステムの最新化などの需要を想定しており、バグの検知を起点にAIエージェントが稼働するといった「イベント駆動型」の案件も見込む。
エコシステムの拡充も図る。Devinを顧客企業に販売するパートナーと、Devinを導入・活用して顧客企業にサービスを提供するパートナーそれぞれと連携していく考えだ。製品や支援プログラムのローカライズなどにも取り組むほか、26年にはDevinの国内コミュニティーも立ち上げる予定だ。
競合との違い、ポイントは「MicroVM」
AIによるソフトウェア開発領域では、日本国内でも既に多くの競合がサービスを展開している。説明会に登壇したCognition AI日本法人のシバタアキラ氏(フィールド CTO)によれば、Devinではリリース当初からエンタープライズの開発に注力してきた。特に技術的に差別化できるポイントの一つが「MicroVM」だ。
MicroVMは名前の通り仮想マシンを小型化したもので、「各AIエージェントが独立して自己完結的に作業を終わらせるために必要な技術」(シバタ氏)。これにより、ソフトウェア開発の全工程を支援しながら、質の高い出力を実現できるという。
一方、一気通貫でなくとも、ソフトウェア開発の各工程に適したAIツールを使い分けることもできる。Devinにはどのような優位性があるのか。
シバタ氏は、各工程のツールは組み合わせて使うことが想定されるため「ツールがそろっていれば、導入してすぐ高い生産性を実現できる」と説明する。加えて、ノウハウの共有しやすさも重要という。個人がさまざまなAIツールを導入するのではなく、組織で同一のサービスを展開することで、全体の生産性の改善につながるとした。
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