「Qwen3.8-27B」ウェイト公開 一部「Opus 4.6 Max」超えか ライセンスは商用可のApache 2.0
中国Alibaba傘下のAlibaba Cloudは8月15日(日本時間)、AIモデル「Qwen3.8-27B」のウェイト(重み)を公開した。Hugging FaceとModelScopeからダウンロード可能で、商用利用もできるライセンス「Apache 2.0」で提供する。一部のベンチマークでは、米Anthropicの「Claude Opus 4.6」の推論エフォート最大(以下、Opus 4.6 Max)を上回るスコアをうたっている。
Qwen3.8-27Bは、4月に公開した「Qwen3.6-27B」の後継にあたるモデル。パラメータ数は270億で、GPU1枚を積んだデスクトップPCなど、ローカル環境でも動かせる規模に収めている。米Unslothは、量子化版なら16GB以上のVRAMやメモリで実行できると案内している。
画像や動画を入力できるマルチモーダルモデルで、STEM分野の図表や文書、長時間の動画の理解にも対応するという。デフォルトの最大コンテキスト長は約26万2144トークンだが、設定によっては100万トークンまでの拡張も可能。
“熟考”してから答える「thinking」モードは初期状態で有効。リクエストごとにオフにできるほか、推論の深さを3段階から選べる。
一部で「Opus 4.6 Maxを上回る」
Alibaba Cloudが公開したベンチマーク結果では、ソフトウェア開発能力を測る「SWE-bench Pro」で61.7、競技プログラミング向けの「LiveCodeBench v6」で90.3を記録し、いずれも比較対象のOpus 4.6 Maxを上回ったとしている。PC操作を伴うタスクを測る「OSWorld-Verified」でも84.3と、前世代のQwen3.6-27B(63.9)から20ポイント以上伸ばした。
一方、科学的推論を測る「GPQA Diamond」や難問集「Humanity's Last Exam」、ターミナル操作の「Terminal Bench 2.1」などでは、まだOpus 4.6 Maxを下回っているという。評価用のハーネスには多くの項目で「Claude Code」を利用したとしている。
「Qwen3.8-Max」よりも柔軟なライセンスに
Alibaba Cloudは8月3日、2.4兆パラメータ(アクティブパラメータは950億)のフラッグシップ「Qwen3.8-Max」を発表し、同モデルとQwen3.8-27Bのウェイトを翌週に公開すると予告していた。Max級のウェイト公開は12日に「Qwen3.8-2.4T-A95B」として実現し、今回の27Bで予告分がそろった形だ。
ただし両者の公開条件は異なる。Max級のウェイトは独自の「Qwen3.8-Maxライセンス」で提供され、モデルを外部にサービスとして提供する事業者のうち一定の売上規模を超える場合は、別途ライセンス契約が必要になる。配布されたモデルは画像・動画の入力にも対応していない。これに対しQwen3.8-27Bは、Apache 2.0かつマルチモーダル対応での公開となった。
米ロイターは8月7日、Alibabaがオープンモデルの大口商用ユーザーに収益の一部の分配を義務付ける方針だと関係者の話として報じている。中国Moonshot AIも「Kimi K3」で同様のライセンスを採用しており、ウェイトを公開しつつ大口利用からは収益を得る手法が広がりつつある。
Qwenシリーズでは、Qwen3.5とQwen3.6をオープンモデルとして公開した一方、Qwen3.7はクローズドモデルとしていた。Qwen3.8では再びオープン路線に戻した格好だ。
なお、Qwen3.8-27Bについては、コンテキスト長100万トークンに標準対応し、独自のツールを組み込んだホスト版を「Qwen Cloud」で近く提供するとしている。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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