デジタル庁は4月24日、内製した生成AI利用環境「源内」の一部を、商用利用可能なライセンスでオープンソースとしてGitHub上で公開した。
オープンソース化により、民間の提案を積極的に取り入れつつ、政府機関などでの重複開発を抑制。特定の事業者やサービスへの依存を抑えながら、各機関が自らの要件に応じて主体的にAI基盤を運用・発展させることができるとしている。
公開したのは、Webインターフェース部分のソースコードと構築手順、源内で利用している一部のAIアプリの開発テンプレートと実装の2種類で、それぞれGitHub上に「源内Web」(genai-web)、「行政実務用AIアプリ」(genai-ai-api)として公開されている。
具体的には、行政実務用RAG(検索拡張生成)の開発テンプレート(AWS)、LLM(大規模言語モデル)をセルフデプロイして利用する開発テンプレート(Azure)、最新の法律条文データを参照・回答する法制度に関するAIアプリの再現可能な実装(Google Cloud)を含んでいる。
今後は、源内で利用しているAIアプリの再現可能な実装を追加公開する予定。あわせて、デジタル庁や中央省庁での源内利用実績や、ソースコードの背後にある思想・開発運用手法に関する技術記事なども順次公開する。
実際の源内で利用している行政実務用RAGなどで参照している内部マニュアル類や、デジタル庁が権利を保有しないLLM、稼働中の源内の生ログなどは公開しない。
オープンソース化の狙いは
中央省庁での業務に特化した生成AIを早く・安全に・簡単に使うための共通ルール整備に向け、民間の優れた提案を取り入れる必要があると判断。源内の一部をオープンソースとして公開することで、民間のユーザーが手元で再現できる状態で公開することにした。
加えて、地方公共団体や政府機関での類似のAI基盤の重複開発を防ぐ他、ソースコードは改変・再利用が可能なため、特定の事業者やサービスへの依存を抑えつつ、各機関が自らの要件に応じて主体的にAI基盤を運用・発展させられるとしている。
また、AI基盤に関する調達仕様書を作る際、源内のオープンソースを参照・指定することで、AIの実装が容易になると期待している。
同庁は「政府と民間が共に『より良い行政AI』を作り上げていくための大きな一歩になれば幸い」としている。
源内はデジタル庁が実装を進める生成AI利用環境。2026年度中には全府省庁約18万人の政府職員が生成AIを利用可能にする計画だ。
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