ワンセグ・モバイルを生かす道(1/2 ページ)
コンテンツについての考え方
ワンセグ・モバイルの“急所”は視聴率の計測が難しいことだ。そのために、2008年までのサイマル放送期間以降、オリジナルコンテンツとして「何を見せるか」が一つのポイントとなっている。ただ、地上波デジタルのマルチ性を生かす方向に軸足を移すことで、ワンセグ・モバイルにも一筋の光明が見出せる可能性があると、筆者は考えている。
ワンセグ向けオリジナルコンテンツのあり方を模索すればするほど、制作費の捻出をどうするかという懸案事項が重くのしかかってくる。大した制作費をかけずに、ワンセグ用のコンテンツを用意とようとするならば、地上波デジタル放送の特長とも言えるマルチチャンネル化(まだら編成)が可能であることに注目すべきだ。ある意味では、“ワンセグだけのためには番組を作らない”という考え方である。
地上波デジタルの売り物の一つである「まだら編成」について簡単に説明すると、例えば19時から21時まではハイビジョン1チャンネルで、プロ野球中継をしていたとする。ところが21時になっても試合は終わらない。一方、21時からは連続ドラマが放送される編成になっていたとする。
野球ファンは21時以降も試合の続きが見たいし、逆に、ドラマのファンは予定通り21時からドラマを予定通り見たい。この両者のニーズに応えるために、21時以降は標準画質にしてチャンネルを分割し、片方のチャンネルでは野球中継を続け、もう片方のチャンネルではドラマの放送を始める。
このように、高画質放送(HD)と、マルチチャンネル化が可能な標準画質放送(SD)を、必要に応じて切り替えるのが地上波デジタルの「まだら編成」である。
それと同じ発想でワンセグに流すコンテンツを考えると、当然のことながら家の外で見て意味のあるものになるのは、基本的にはニュースを中心とする“情報系”のものになるだろう。地上波が固定テレビ向けに「まだら」でなく、ただ1チャンネルを流しているだけの時には、ワンセグはそれのサイマル放送を流していれば十分だということだ。
すなわち、飛行機のハイジャックが起きているとか、何か大きな事故が起きているとかという時のように、会社や外出時にも状況(情報)を適宜チェックしておき、家に帰ったら固定テレビでその後の進展を見るという具合である。
そうした大きな事件のない時には、定時のニュースを流したり、それこそプロ野球やサッカーの試合の中継を流しておけばかまわない。一方、「まだら」になった場合も、ドラマのようなパッケージ物をワンセグで見る人は少ないと思う。こうしたことを考えれば、ワンセグ向け番組の制作費は、巷間言われるほど心配をしなくても済むのではないだろうか。
広告収入についての考え方
ワンセグについても、広告放送が行われることになる。冒頭で視聴率の計測が難しいことが急所だと述べたが、現状の地上波の広告収入の状況を考えれば、仮にワンセグ・オリジナルの情報を流すとしても、その制作費を、広告を出すスポンサーから全額を回収しようと考える必要はない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
個人向けGeminiのモデル選択が厳格化 無料ユーザーが使えるのは「Flash-Lite」のみに
-
2
日経社員のGoogle Workspaceに不正ログイン 1646人分の個人情報漏えいか
-
3
「Androidのマイナンバーカード」提供へ 20日から 物理カードなしでも本人確認など可能に
-
4
「OpenAIの文化は壊れている」──安全性報告書を統括した従業員が退社し、寄稿
-
5
タイムズカー漏えいで集団訴訟の動き、登録3000人弱 呼び掛けた弁護士に聞いた──「謝罪で済む案件ではない」
-
6
渋谷区でシステム障害、窓口業務を縮小 復旧の見通し立たず
-
7
再び浮上した「クレカ表現規制問題」 クリスタやpixiv FANBOXの騒動からマンガ家が感じた不安と焦り
-
8
第一生命に不正アクセス 従業員情報12万人分漏えいか 退職者も対象
-
9
「アバハウス」全顧客の情報漏えいか 会員・受注DBに不正アクセス 「不審な返金メール届いた」報告で判明
-
10
免許証の悪用防ぐ届出集中、CIC・JICCで手続き遅延 タイムズカー情報流出直後に
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR