前回、ノリオ課長から作業記録をつけるように指示されたヒロシ主任とタカフミ君。1週間ほど作業記録を続けてみた2人が気づいたこととは?
前週に引き続き、ノリオプロジェクトの週次進捗ミーティングの現場から──。
ノリオ課長 1週間たったけど、作業記録のほうはその後どうだね?
ヒロシ主任 いやーこうして記録をつけてみると、意外と何もしてない時間ってけっこうあるものです! いったいこの30分間に自分は何をしていたのか、と……。
タカフミ君 僕の場合は、メール読んでる時間がすごい多いことが分かりました。まぁ、薄々気づいていましたけどねー。
ノリオ課長 そうか。今週はちゃんと終えられそうなのかな?
タカフミ君 この1週間を振り返ると、メールチェックの時間がかなり長いようなので減らしたいと思っているのですが、業務に直結する内容も多くて、例えばけっこう多いのがExcelの使い方とかちょっとしたコツみたいなのを問い合わせてくる人がいるんですよ。まぁ、僕がExcel得意なのみんなに知られちゃってるんですよねー。
ノリオ課長 うーん、そういうメール対応に時間を取られるのは困るね。まぁ、それによって助かっている人もいるんだろうけど……。
タカフミ君 そうなんですよ。サポートセンターじゃないんですから。
ノリオ課長 そうしたら、一度社内向けにタカフミ君に「ちょっと便利なExcel講座」を開いてもらおうかな。
ヒロシ主任 おー、それいいですね! 是非参加したいです!
タカフミ君 えーマジすか! 面倒だなぁ……。
ノリオ課長 まぁ、とりあえずExcel講座についてはマサヨシ課長とも相談してみるよ。とにかくメール対応の時間が多いということは分かった。で、タカフミ君、今後はどうする?
タカフミ君 そうですねー、「Excel教えて君」なメール対応についてはしばらく控えるようにします。まぁ、個人的にはそういう質問に答えるのは嫌いじゃないんですけどねー。
ノリオ課長 業務に差し障りがある以上は控えてもらわなくてはいけないね。早急に詰めることにしよう。タカフミ君、このミーティングの後、ちょっといいかな?
タカフミ君 いいっすよ。
ノリオ課長 じゃぁ、次。ヒロシ主任は使途不明時間が多いって話だけど。
ヒロシ主任 ええ、特に全国各支店の営業マンたちと電話で話してると、ついつい時間がたつのを忘れちゃうんですよねー。えっ、今の電話で30分も話てたの!? みたいな感じです。
ノリオ課長 それはお互いに困るよね。必要な連絡はメールで済ませられるようにするとかしないとね。
タカフミ君 ヒロシ主任は電話で話すのが好きなんですよ。
ヒロシ主任 (ムカッ!)いや、私は必要だから電話で話しているんだよ! 電子メールなんかで人の心は伝わらないだろう。
タカフミ君 今どき「電子」なんて付けないっすよ。
ノリオ課長 まぁまぁ。タカフミ君も揚げ足を取らない。確かにヒロシ主任の言っていることももっともだけど、営業マンとのコミュニケーションは一度見直した方が良さそうだね。次回までに営業マンとのどんなコミュニケーションをしているのかを資料にまとめてくれないか? 今ぼくらが進めている新規事業のコンセプトではコミュニケーションというのはキーワードだからね。まずは自分たちの足もとから見つめ直していこうじゃないか。
ヒロシ主任 ハイ! かしこまりました。
確かに実際に作業記録をつけてみると、電話の時間って思いのほかバカにならない時間だったんだなぁ。今までたいした時間はかかってないと思っていたけど、こりゃ残業も増えるわけだ。けっこうどうでもいい世間話をしてしまっていることもあるから、まずはこのあたりから減らしていこう。
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