中小企業の約65%が「情シス不在」 デジタル化でも残る課題との関連は?IT調査ピックアップ

ファイル管理のデジタル化を進めても、「目的のファイルが見つからない」「データ復旧に不安が残る」という課題が残るのはなぜか。中小企業の約65%が情シス不在であることは、この課題にどのような影響を与えているのか。デジタル化だけでは解消しない非効率の原因に迫る。

» 2026年05月19日 07時00分 公開

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 紙書類やFAX中心の運用からオンラインストレージや社内サーバに移行する中小企業が増えている。だが、デジタル化を進めても「目的のファイルが見つからない」「データの保管状況や復旧手順がよく分からない」という課題を抱えている企業は多い。

 法人向けオンラインストレージサービス「セキュアSAMBA」を運営するkubellストレージは2026年5月7日、「ファイル管理とセキュリティに関する意識調査」の結果を発表した。

 同調査からは、中小企業の約65%が専任の情報システム部門担当者(情シス)を置いていないという実態が浮かび上がった。

中小企業の約65%が専任の情シス担当者が不在(出典:kubellストレージのプレスリリース) 中小企業の約65%が専任の情シス担当者が不在(出典:kubellストレージのプレスリリース)

 また、デジタル化を進めても運用面で課題を抱える企業も多い。一方、「ファイル管理を電子化し、管理も順調」と答えた企業は約44%にとどまる。過半数の企業で、管理ツールを導入しても解決できない課題が残る理由は何か。

 情シスの不在とこれらの課題は、どのように関連しているのか。

デジタル化しても「非効率」が残る理由は?

 kubellストレージは、管理ツール導入後に課題が残る理由について、デジタル化後の管理ルールが整備されていないことを指摘する。この詳細について、順を追ってみてみよう。

 まず同調査は、ITシステムやセキュリティを専門に管理する担当者の有無を尋ねている。これに対し、「担当者は誰もおらず、各自で対応している」が38.8%で最多、「他業務と兼任している担当者がいる」(25.7%)、「分からない」(9.9%)が続いた。つまり情シスが不在、または不明の状態にある割合が約65%に上る。「専門の部署・担当者がいる」と回答した割合は25.5%にとどまる。

 この結果を受けて、多くの中小企業ではセキュリティやファイル管理に関して、総務担当者や経営者が片手間で対応しているか、明確な管理者がいない状態で運用されている可能性が高いと同社は推察している。

デジタル化後、「探せない」問題はかえって悪化している例も

 同調査では、デジタル化の「不都合な真実」も垣間見えた。

 ファイルの管理形態と検索のしやすさについて、「デジタル化はしているが、その後のファイル名変更やフォルダ管理が大変だ」と回答した層のうち、84%が「ファイルを探すのに時間がかかることがある」と答えた。これは、「紙やFAXでのやり取りが中心で、デジタル化はあまり進んでいない」と回答した層が「ファイルを探すのに時間がかかることがある」と答えた割合(72.0%)を10ポイント以上上回った。

 kubellストレージは、管理設計が不十分なままデジタル化した場合は、ファイルを探す負荷がかえって増えると指摘する。命名規則や格納ルールの整備の有無が、デジタル化の成果を左右する。

情シス不在でも維持できる仕組みづくりが鍵

 増える一方の文書を検索しやすい体制を整えることは、自社特有のデータを活用できるかどうかにも関わる問題だ。

 kubellストレージは、中小企業におけるファイル管理における課題が「デジタル化しているかどうか」ではなく「デジタル化後の運用が適切に機能しているかどうか」の段階に移ったとみている。情シス不在の企業では管理ルールの整備が追いつかず、ファイルが増えるほど検索性や共有効率の問題が顕在化しやすい。管理ルールの策定が、デジタル化を成果に結び付ける鍵になる。

 今回の調査は、ビジネスチャット「Chatwork」を利用する全国のビジネスパーソン505名を対象に2026年2月中旬にインターネットで実施された。

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