携帯メールで来店者リピート率向上を狙う

「備長扇屋」を展開する扇屋コーポレーションでは、来店客のリピーター化を狙ったASPの携帯メールマーケティングを導入、効果を上げている。

» 2006年09月06日 14時49分 公開
[ITmedia]

 備長炭で焼いた焼き鳥メニューで知られる外食フランチャイズ事業「総本家 備長扇屋」チェーンを展開する扇屋コーポレーション(扇屋)では、1年半ほど前にビートレンドの携帯マーケティングサービス「BeMss」(ビームス:後述)を導入して顧客向けに携帯メールを使った情報提供を開始し、リピート率の向上につなげているという。その内容や効果などについて扇屋の営業グループ営業企画担当担当部長の織戸司氏と同担当係長の近藤良子氏話を聞いた。

ITmedia BeMss導入の動機からお聞かせいただけますか。

織戸氏 新規のお客様にもう一度来店してもらうには、あるいは月に1回来店されるお客様にもう1回来てもらうにはどうしたらいいかというところで、これまで当社ではやってこなかったケータイメールを使ったらどうかと考えました。

営業企画担当織戸担当部長と同近藤担当係長 営業グループ営業企画担当織戸担当部長と同近藤担当係長

ITmedia 導入はどのように行われたのでしょうか。

織戸氏 最初は10店舗ほどで試験的に導入しました。店舗のテーブルにQRコードを入れたチラシを置き、登録URLへ誘導しました。カメラ付きでない携帯ユーザーには空メールをもらってURLを送る仕組みです。登録時のアンケートで細かいプロフィールを取る案もあったのですが、最終的にはあまり細かく尋ねると煩わしく思われて入会率が低くなると考え、性別や生年月日、登録時の来店人数、どこからの来店したかだけを入力してもらうことにしました。登録してくれたかたへはドリンクの1杯無料クーポンをメールで送ります。

ITmedia 登録サイトや顧客データベースの管理、メール配信はシステムで一括して管理するけれども、ユーザーはそれぞれの店舗のお客として登録するわけですね。店舗ではそれをどのように活用したのでしょうか。

登録ユーザーにはこのようなメールを配信している(サンプル)

近藤氏 登録ユーザーに対しては、割り引きなどお得なクーポンを含んだメールとイベントやキャンペーン情報のメールを1月に2回程度配信しています。メールの内容は店長が決めるわけですが、いきなりでは難しいと考え、本部が何パターンかの文面を用意してそれを選んでもらいました。今では花火大会などその地域のイベントに合わせたメールなども送っています。ただ、お客様に飽きられたり煩わしく思われたりして解約されないように、あまり頻繁には送らないよう注意しています。

ITmedia 効果はどうでしたか。現在の登録数なども教えてください。

近藤氏 メールの反響は大きかったですね。クーポンメールを1回配信すると、その後の来店者の1割強がクーポンを持っていらっしゃいます。現在およそ200店舗でサービスを提供しており、合計で9万5000人を超えるお客様に登録いただいています。

ITmedia 今後の目標はなんですか。

織戸氏 効果が見込めることが分かってきて、各店長からは登録ユーザー数を伸ばしたいという声が寄せられています。効果が出ていることが感じられるのは1店舗あたりおよそ500人に達してからですが、現在1店舗1000人の登録を目標においています。いまのところ数店舗が目標達成していますが、今後もっともっと増やしていきたいですね。

BeMss(BeTREND Mobile Marketing Solution Services)

ビートレンドが企業向けに提供しているASPサービス。携帯向けホームページ、メール配信、会員管理、携帯通販サイト、アンケートなど複数のサービスが用意されており、ほとんどのサービスは初期費用なし・月額1万円からで、用途に合わせて自由に組み合わせて利用できる。


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