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» 2007年08月10日 22時58分 公開

あなたのアイデア、ケータイに投げて

誰もが発想力やアイデアを求められる時代。紙に書き出すよりも、アイデアを思いついたらケータイに。それが「ポケディア」だ。

[斎藤健二,ITmedia]
コクヨの新規事業を担当するRDIセンターの開発戦略室で、ポケディアを生み出した万木康史チーフビジネスプランナー

 ルーティンワークではなく自らアイデアを出し、新しい商品やビジネスを切り開いていくことを期待されているナレッジワーカーたち。今やPCを使えるだけではダメで、ほとんどのビジネスパーソンが、発想力やアイデアを求められる時代になってきている。

 しかし「自分には新しいアイデアを思いつけない」「アイデアは、“アイデアマン”という人にしか出てこない」──と思っていないだろうか。

 こんな悩みを解消しようと、コクヨが新規事業としてトライするのがケータイやPCサイトを使った発想支援サービス「ポケディア」だ(7月31日の記事参照)。機能やユーザーインタフェースの部分は発展途中の部分が多いが、発想支援を行うというネットサービスは、ビジネスパーソンの必携ツールとなり得る素質を持っている。

 「30歳前後になると、職場でもリーダー格になって、『新規事業を考えろ』と言われたりする。ところが、何かを考えろといわれても困る──というのが、普通のビジネスパーソンではないか」

 そう話すのはコクヨのRDIセンターでチーフビジネスプランナーを務める万木康史氏。こうしたビジネスパーソンを支援したいという想いから、ポケディアは生まれてきたという。

アイデアは机の前では生まれない

 実は世の中には数多くの「アイデア本」があって、「こうすればアイデアが生まれる」「こうすれば発想が広がる」──という技法がたくさん紹介されている。しかし、本当に必要なのはアイデアの技法ではなく、それを実践するためのツール、そして習慣化するためのツールだ。

 ポケディアが受け持つのは、アイデア発想の準備段階に当たる情報収集のステージ。ここでは、ちょっとした発見や思いつきを素早くメモすることが大切だ。ポケディアのツールの1つ「ちょいメモ」は、携帯電話からメールを出すことでサーバにメモが残せるようになっていて、素早いメモを支援する。

 アイデア作りのツールとして、ケータイを使うのが、ポケディアのポイントの1つだった。

 「企画系の仕事をしている人は、社内の会議があったり、外部の人との打ち合わせがあったり、PCの前に座ってアイデアを練る時間はない」と万木氏。

 逆にいえば、アイデアは自席で唸っていても生まれてこない。移動時間や喫茶店にいるときなど、普段と違う環境にあってこそ生まれる。ちょっと前ならば、ノートPCを持ってメモを──ということになったかもしれないが、今やノートPCの持ち出しを禁じている企業も多い。そこで出てきたのが、普段から肌身離さず持ち歩いているケータイだった。30歳前後という、ポケディアのターゲット層の人たちにとって馴染み深く、入力にもそれほど抵抗がなかったことも決め手だ。

ケータイサイトを開かなくても、「m@pkda.jp」にメールすればアイデアを保存できる

 ケータイを発想のための文具にする──というところから、別の発想もふくらんだ。例えば「会議でホワイトボードに書かれた内容を、みんなケータイのカメラで撮影して持ち帰っている。これもポケディアに送りたい。添付画像の管理も必須だよね、という議論をした」(万木氏)。フォーマットは携帯で撮ったままだが、動画ファイルもサーバに保存できるのだという。

メールで発想のヒントを送り返してくれる

 ちょいメモでメモをすると、アイデアのヒントとなるメールが返信されてくる。このメールに返事を書くことで、さらにアイデアがふくらんでいく仕組みだ。

 「ヒントとなる返信メールは現在100種類。当初、元のメールをテキストマイニングするとか、関連する要素をネットから引っ張ってきて見せるなども検討したが、敢えてランダムな内容を返すことで、全く違う切り口のアイデアをふくらませられるようにした。今後ヒントとなるメールの数は順次増やしていく」(万木氏)

 しばしば言われることだが、アイデア出しには2つのステップがある。「発散思考」と「収束思考」だ。発散思考では、ブレインストーミングのルールにもなっているように発想を制限せずに自由に広げていく。全く関係ないジャンルに飛んでしまってもかまわないので、自由に数多くの発想を生み出すのが目標だ。

 一方、収束思考では、発散思考で生まれた数多くのアイデアを分類しまとめていくことで、質の良いアイデアに落とし込んでいく。ブレインストーミングマインドマップなどが発散思考系の道具で、例えば出てきたアイデアを図に落としてまとめていく開米さんの図解法などが収束系の道具だといえるだろう。

 ちょいメモが“ランダム性”を選んだのは、アイデアの方向性を絞らないで発散思考をサポートするため。もう1つのツール「イデアミキサー」も、異なる対象に関する質問を出すことでアイデアの発散思考を支援するように作っている。

アイデアの収束は、次の機能強化点

 現在、出したアイデアをドラッグ&ドロップで分類できる「アイデア管理」という機能が、PCサイト側に実装されている。ここではグループを作成し、これまで登録したアイデアを各グループに登録、アイデアをまとめて収束させ、意志決定の方向付けを支援できるようになっている。

 ちょいメモのほうは、現時点でもかなり作り込まれているが、管理ツールの強化はまさにこれから。ブラウザ依存の部分も散見されるし、ビジュアルを重視したあまりか使い勝手が直感的でなくなっている部分も多い。せっかく写真付きの「ちょいメモ」が送れるのに、PC側での閲覧は簡単ではないなど、課題もある。しかし、Ajaxを使い、アイデアをドラッグ&ドロップで分類できるという発想は面白い。

Ajaxが使われた分類ツール。今後の作り込みに期待

 アイデアをカードに書く代わりに、携帯からメールする。カードを机の上で並び替える代わりに、ブラウザ上で並べ替える──。この機能が強化されていけば、PCはまさにアイデアの生産基地になりそうだ。

 「今後、アイデアの収束、そしてアイデアを企画書に落としていく部分を強化していく。現在はまだまだβ版。徐々に新機能をリリースしていく予定だ」(万木氏)

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