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» 2008年06月16日 22時23分 公開

履歴の全文検索で「あの記事どこかで読んだ」を解消――Opera 9.5

「あー、あの記事どこかで読んだ」というようなWebページを探す時、自分の履歴から探したほうが早いことはないだろうか。そんな機能が実装された「Opera 9.5」。JavaScriptやHTMLの読み込みスピードが従来の「9.2」に比べて2倍以上になったという新バージョンの使い勝手に迫る。

[鷹木創,ITmedia]

 6月17日に公開が決まった「Firefox 3」、β版の公開が始まっている「Internet Explorer 8」などなど、Webブラウザ業界がここにきて再びにぎやかになってきた。そんな中、6月12日には「Opera 9.5」の正式版が公開されている。Opera SoftwareによるとJavaScriptやHTMLの読み込みスピードが従来の「9.2」に比べて2倍以上になったという。新しくなったOperaの使い勝手はどう変わったのだろうか。

Opera 9.5

自分のことは自分が一番知っている――履歴を全文検索

 「あー、Operaの中の人の記事をどこかで読んだんだけど、どこで読んだんだっけ」というような時、たいていの人はGoogleなどの検索エンジンで「Opera 中の人」などと検索する人が多いのではないだろうか。すぐに見つかればいいのだけれど、ニッチな話題の時は検索順位が低くなったりして、なかなか見つからないこともある。

 確実に自分のブラウザで見た――という確信があれば、ブラウザの履歴を探したほうが早いはず。この思いを実現したのが、Opera 9.5で閲覧したWebページを対象に全文検索できる機能だ。アドレスバーにキーワードを打ち込むだけで履歴情報をインクリメンタルサーチしてくれる。注意したいのは、打ち込んだ後に[Enter]キーを押すと、アドレスバーに設定していた検索エンジンにアクセスしてしまうこと。[Enter]を押さずに表示されるのを待とう。あせらず入力したい。

スキンが新しくなった――サイドバーの表示領域も拡大

 ひと目で違いが分かるのがスキン。これまでのグレー一色の配色から、ブラックをタブの表示周りに配色し、引き締まった印象を受ける。引き締まったのはカラーリングだけではない。特にウレシイのがサイドバーのナビゲーションの表示がすっきりと細くなったこと。

 Operaは、サイドバーの幅に合わせてWebページを表示させる「スモールスクリーン」機能を搭載しており、メインウィンドウに表示させているWebページとは異なるWebページをサイドバーに表示できる。例えば、メインウィンドウに英語のWebページを表示させておいて、翻訳ページをサイドバーに表示させることも可能だ。

 ナビゲーションの表示がすっきりすることで、このサイドバー内の表示領域が増えている。もちろん、スキンは入れ替えることもできる。似たようなスキンを適用していたユーザーも多いと思うが、多くの機能を初期状態から利用できる“全部入り”がOperaの特徴でもある。ちょっとした変化だが、最初から便利なスキンを搭載しているほうが、愛用するユーザーにとってはうれしいだろう。

Opera Linkの“真価”は携帯電話対応待ち

 ブラウザ単体ではなく、Operaとオンラインサービスを組み合わせた機能が「Opera Link」。ブックマークをオンライン上で登録しておけば、家庭と会社でブックマークを共有できるほか、Opera以外のブラウザでも利用できる。

Opera Linkの画面。利用には会員登録が必要だ(無料)

 最も有効活用できそうなのは、デスクトップのOperaで見ていたWebページを、携帯電話用の「Opera Mini」でも見られる機能。急ぎの用事で外出しても、さっきまで見ていたWebページをOpera Miniで確認できるという。

 ただし、残念なことに国内の携帯電話でOpera Miniを利用できる端末は存在していない。従って、オンラインブックマーク機能以上は国内では利用できないわけだ。Opera Linkの“真価”は携帯電話への対応が今後進むかどうかにかかっていると言えるだろう。

 とはいえ、Opera 9.5は表示速度も高速になったと既存ユーザーからもおおむね好評な様子。熱心なOperaユーザーである「Business Media 誠」のY編集長も「レイアウトが崩れたり、うまく表示できないページも右クリックでほかのブラウザに表示させることが、初期状態でできるようになった」と喜んでいる。

iPhone用Operaは?

コンシューマー製品部門を統括する冨田氏。Opera Softwareの本拠地、ノルウェーのオスロから回答してくれた

 Opera Softwareのコンシューマー製品部門を統括する冨田龍起氏(シニアバイスプレジデント)は、「これまで独占的だったIEのシェアがだんだん落ちてきた。IE8、Firefox 3、Opera 9.5で三つ巴の競争中、劇的な機能が必要だ」と分析する。

 Operaの競争力は、携帯電話や家庭用ゲーム機など、PC以外のデバイスにも多数搭載されていることだ。Opera Linkの方向性もこうした非PCデバイスとの連携を見込んだものと言える。一方、IEにせよ、Firefoxにせよ、Operaと同じように非PCデバイスへの組み込みを狙っており、最近はアップルのブラウザ「Safari」も、iPhoneやiPod touchというように非PCデバイスに組み込まれている。以前ほどOperaが独走している分野ではないようだ。

 「(Googleの)Android向けOpera Miniのコーディングは始まっている。iPhoneがサードパーティ向けに(アップルが)もうちょっとオープンな体制になれば、当然チャレンジしたい。ただ、Operaはそれほど大きな会社ではないので、優先度を付けて取り組むことになるが」

 また普及に向けて、開発者へのアピールを強めていくという。「(Firebugのような開発者向けアドオンなどがある)Firefoxはうまくやっている」とコメント。この反省から、Opera 9.5では「Dragonfly」という開発者向けツールのα版を同梱した。Dragonflyは開発ツールやデバッグツールが1つになったもので、リモート環境でのデバッグも可能だ。「ユーザーからのフィードバックを受け付けたい。エンジニアと一緒になって開発して、Web標準ベースのコーディングを目指す」という。

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