A4推奨派の私だが、紙の手帳だけはバイブルサイズのシステム手帳を使っている。A5ではなくバイブルサイズを使っているのには理由があるのだ――。
A4推奨派の私だが、紙の手帳だけはバイブルサイズのシステム手帳を使っている。システム手帳を使うのは、必要な書類などを取り込みやすく、不要な部分(すでに終わったスケジュールなど)を取り外して薄く保てるなどの利点があるからだが、規格統一推奨派の私が、A5ではなくバイブルを使っているのには、2つ理由がある。
1つはリフィルの充実度。システム手帳の大きなメリットは、さまざまな種類のリフィルを使い分けたり、同じ種類のリフィルでも、レイアウトを選べることだ。様々な統計用紙や便覧も含め、これはもう、圧倒的にバイブルサイズが最も充実している。日本能率協会のBindexシリーズなんて、スケジュール関連だけで15種類以上ある中から選べる。情報処理の原則から言えば、A判で統一したいところだが、手帳に関してだけ言えば、残念ながらバイブルが最も汎用性の高いシリーズなのである。
もう1つはスーツをはじめとするおおかたの上着のポケットのサイズが、A5サイズは入らないが、薄めのバイブルなら入ること。常に携帯を考えるとやはりA5はちょっと大きい。携帯してすぐ閲覧できる機動性がないなら、手帳よりPCのアプリケーションのほうが便利だ。やはり常に持てる大きさになんとかシェイプアップして持ち歩きたい。
上記の理由から、結局アナログ手帳がバイブルサイズになっている私だが、やはりPCのプリントアウトはA4で出てくる。これをどうするかが問題だ。異なるフォーマットの併存は、いつも私の悩みのタネだ。
野口式「超」整理手帳は、A4判2回折りの縦長サイズ、A4用紙を折りたたむだけで挟み込めるのが強みだ。独特の蛇腹折りの予定表も4週間分を開くとA4サイズになる。それでいてポケットにも入りやすいスリムな形状、この思い切った規格統一はさすが「超」と豪語するだけのことはある。その思想には大賛成である。私もしばらく試したことがあるが。メインのウイークリーに関して、書き込みスペースや、フォーマットの書きやすさの問題から、どうしても野口式になじめず、断念した。
確かに野口氏の言うように、PCのA4プリントアウトをリファレンスとして携行するメリットは大きいと思う。周りの人を見ても、バイブルに限らず、自分の手帳にA4を2回折って細長い短冊型にして(野口式と同じ)挟むという人が多い。もちろん「超」整理手帳と違ってただ挟んでいるだけだから、ときどきバラバラと中身を落とす。
何度も参照する様な重要なものは、A4を40〜45%ぐらい(余白による)に縮小して、例のアクリル板でバイブルサイズに切り抜き、穴を開けてとじ込むのだが、どうせ一時的なものならさっと挟みたい。
そこで申し訳ないが、野口氏のアイテムを部分的にお借りすることにした。カンガルーポケットである。カンガルーポケットは、「超」整理手帳の付属品で、野口手帳に追加でA4用紙を差し入れる際に、いちいち取り出さなくても紙を一覧できる便利な透明ポケットだ。
これを、自分の手帳に取り付けるのである。すべての手帳に利用できる方法ではないが、一番後ろのページが内側からのポケット状になっているタイプなら使える。
私は、メインがデスクワーカーなので、PCでスケジュール管理をしているが、これを1ページに2枚分を割り付けてプリントアウトすると、2カ月分のスケジュールを簡単に持ち出せる。この折り方だと、見開きが1カ月で見やすい。これを2枚つなげると4カ月が見渡せる。
野口式のレイアウトは、つい、A4の4分の1でデザインしなくてはならないように思いがちだが、屏風型に折りたたむため、実は見開きA5が2面つながった状態である。このため、普通のA4の画面をプリントアウトするときに、プリンタのレイアウト設定で、Nアップ印刷(「まとめて1枚」「割り付け」「集約」など)を選んで2面を割り当てれば、ほとんどの書類は簡単に参照可能な2ページものとしてプリントされる。さらに連続したいときは、それらの屏風状のものの端にテープのりをつけて重ね合わせればいくらでも増やせる。頻繁に更新する仕事上の一覧表などのリファレンスは、これを使うと簡単に手帳に入れられる。
もちろん、バイブルよりも野口式の方が縦に長い分、手帳からはみ出した形になるが、手帳は、横幅が増えると、スーツのポケットに入らないなどの弊害が出るが、縦方向に伸びる分には、ほとんどの場合、たいした問題は起こらない(私は余ったスペースに付せんを付けて使っている)。
手帳に関しては毎年毎年試行錯誤しているにもかかわらず、いまだにこれといった形に落ち着いていないので、あまり偉そうなことを言える状況ではない。今回の方法も、1年以上は使っているが、まだもっと良い方法があるのではないかと模索もしている。はっきりしないところがなんとも情けないところではあるが、手帳に関しては、人それぞれに管理する内容が異なるから、参考にでもなればと思う。
1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。
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