得られるところが少ない本にむしろ付せん――“遠付近書”読書術あなたの不安、見積もります

読書をする時、何でもかんでも付せんを貼りまくっていませんか? 佐々木流付せん貼付術で、比較的効率のいい読書環境を構築してみましょう。

» 2010年10月01日 11時15分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 趣味で読むのであれ調べ物をするのであれ、わたしは本を便宜上3通りに分けています。

  1. 得られるものが1行おきに出てくる本
  2. 得られるものがいくらか出てくる本
  3. 得られるものがほとんどない本

 わたしにとっては(1)が最も求める本ですが、これは1が最高の良書であるということではありません。1歳児であるわたしの娘にとって『広辞苑』から得られるものはありませんが、だから悪書であるというわけではないからです。

 特に調べ物をする時、付せんを用いて気になるところをマーキングすることが多いのではないでしょうか。ただ本と付せんの関係は凝りだすと意外と複雑。(1)のタイプの1行おきにいい話が出てくる本に付せんを貼ってしまうと、付せんだらけで付せんの意味がなくなります。だから(1)のタイプの本は手元に置いてどこと決めずにパラパラめくるか、メモを書き付けておきます。

 メモを書く目的は、書き抜くということよりも書いたことが記憶に残るからです。だからわたしはメモを「読書ノート」や「Evernote」に書かず、本にそのまま書き込みます。その方が楽だからです。つまりわたしの場合、(1)のタイプの書籍には付せんを貼らないのであります。

 では、どの本に付せんを貼るのか。最終解決策はないかもしれませんが、わたしは(2)のタイプの書籍に付せんを貼っています。このタイプは、読んでいてとてもうれしい本というわけではありませんが、扱うには楽です。たまにしか「覚えておきたいこと」が出てこないため、付せんを貼って遠くの書棚にしまっておけばいいからです。

 こうしたやり方が徐々に機能していくと、ある読書環境が整います。付せんを貼っていない書籍は手元に、付せんを貼った書籍は本棚に――と自然と分けられていくのです。遠く書棚にある本は付せんを貼ってあるページを探せばよくなり、手元近くにある本は時々見返しては何事かを書き込んでいけばいい、というシステムに落ち着くわけであります。遠くは付せん、近くは書き込む“遠付近書”読書術なんて言ってしまったら大げさでしょうか。

 むろん、新しい本が入ってくるたびにこのシステムは影響を受けますので、最終的に固定化されるわけではありませんが、一定の読書環境の構築には役立つのではないでしょうか。

 ちなみに(3)の本ですが、もちろん捨てたりはしていません。ブックオフで売却するか図書館に寄贈しています。

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筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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