付せんには、大きく2つ、メモを書き込んで張り付ける用途と、目印やインデックスとしての用途がある。
私の場合、付せんを目印として使う場合が多く、以前にも、張り替えのできるインデックスとしての利便性については述べたが、使う枚数が一番多いのは、書籍や資料の気になった部分や、後で参照の必要があるところに目印として張っておくこと。
目印として使用する場合は、やはり紙ではなくフィルム状の付せんだ。書類からはみ出した部分は丈夫で破れにくく、耳以外の部分は張り付けるとほとんど見えなくなるので、コピーなどの邪魔をしない。調べ物をしているときなどは必須の便利アイテムである。
この場合、気になったところや思いついたときに張るわけだから、たいてい張りたい時は突然やってくる。付せんはメモ帳と同じく、思いつきを捕まえる道具。思いついた瞬間に取り出せるかどうかがキモだ。こういう道具がすぐに取り出せないときのストレスは、大きく思考にブレーキをかける。従って、必然的に携帯性が重要になってくる。
そこでオススメしたいのがポスト・イットのフラッグ透明見出しシリーズ。中でも最近ラインアップに加わった「シンパック」は今までにない思い切ったパッケージで、これが実に使える。
以前からポップアップ式のものが何種類かあったが、今回のシンパックは、かなり大胆な仕様だ。フラッグ透明見出しの束が両側から紙で挟んでパウチされており、中央に付せんを取り出すスリットがある。付せんが入っているからドラ焼きのように真ん中が膨れてはいるが、厚みは最大で約1.7ミリ。ちょっと硬めのばんそうこうといった印象で、ほかの携帯用付せんに比べるとかなり薄くて柔軟だ。
そして背面には、最初から張って剥がせる粘着剤がついている。これならいつでも剥がせるから気兼ねなく好きなところに張りたい放題だ。分かってるじゃないの! 住友スリーエム。グッジョブだ!
三連の状態で販売されていて、ミシン目で切って使う。もちろん3色を使いたい場合は、そのまま張り付けてもOK。パウチののりしろの都合上、面積が広くなってしまっているので、3色を1度に使いたい場合はちょっと横幅が気になるが、手帳に張り付けて使っている。
まずは想定通りの使い方だと思うが、薄くて邪魔にならないだけでなく、傷みにくく、張り替えも簡単だし。これはラクチンでかなり良い。これなら手持ちのノート類のほとんどは利用対象になる。
デスクワーカーなら机上周りの適当なところに張り付けておけば、すぐに取り出せてとても便利。ベタにPCモニタのフチというのもアリだが、デスクの引き出しの前面というのも、手が届きやすくて良い。まあ、仕様からして「ハックにどうぞ!」と言わんばかりの形だから、応用の範囲はアイデア次第。
私の場合は、本や雑誌を読むときにも使うことにしている。読みかけの本の裏表紙の内側に張り付けてストックしておけば、気になった所にはすぐに付せんを張り付けることが可能。まさにピンと来たところに即座に張り付けられるのである。コツは、付せんを引き抜く際に、垂直に立てて引かず、できるだけそのままベースと平行に引っ張ること。そうすれば付せんが抜けやすく、かつベースが剥がれることもない。もちろん読み終わったら剥がしてまた別の本に使う。
使い切りの20枚が3セットで252円(Amazon.co.jpだと226円)と、ちょい割高。もったいない感がないわけでもないが、もともと付せんは使いきりだ。ここはあえて贅沢に使おう。
1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。
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