独自のじゃばら式スケジュールシートが特徴の「超」整理手帳――。そのiPad版である「『超』整理手帳for the iPad」が登場した。開発者の早稲田大学大学院教授・野口悠紀雄氏に制作意図や紙の手帳との使い分けを聞いた。
独自のじゃばら式スケジュールシートが特徴の「超」整理手帳――。そのiPad版である「『超』整理手帳for the iPad」(以下iPad版)が登場した。今回は製品としての特徴を概観しつつ、開発者の早稲田大学大学院教授・野口悠紀雄氏を取材し、iPad版の制作意図を聞いた。
iPad版を見て最初に感じるのは、紙の手帳のデザインと使い勝手を忠実に踏襲していることだ。
まずデザインである。「超」整理手帳にあるクリーム地の記入ページをiPad版のデザインでも忠実に再現している。特に2週間表示にすると、紙とiPad版の実面積はほぼ同じくらいになる。
次にインタフェースだ。「超」整理手帳は、普通の綴じ手帳のように“めくる”のではなく、じゃばら式のスケジュールシートを広げる点が特徴的だった。iPad版では画面上部の「2 weeks」「8 weeks」「18 weeks」のボタンから表示範囲を切り替えられるようにしており、アニメーションと音でじゃばらを広げるプロセスを再現している。表示範囲を広げたときも「今日」のボタンをタップすれば、その日の記入欄にジャンプできる。
紙の自由度も再現している。「超」整理手帳のじゃばら式シートは、週の1番上のスペースに自由記入欄があるが、iPad版でもこれを継承している。これはデジタルなスケジューラーではなかなか珍しい。多くのiPhoneアプリと同様に、Googleカレンダーと同期することも可能だ。
デジタルならではの機能ももちろん用意している。まず、紙版では専用冊子だったToDoリストを、スケジュール記入欄の横に配置している。スケジュールにはそれぞれタグを割り当てることができ、タグから予定を検索することが可能だ。
「iPad版の開発で最も重視したのはこの点でした。週の表示や切り替え、8週間表示のスクロールなどに気を配ったのです。例えば、2週間表示と8週間表示は相似形であり、『超』超整理手帳を使っている人はおそらく、時間をこの(表示切り替え)のようにとらえているのです」――。「超」整理手帳の発案者である野口教授にとって、紙の手帳と同じインタフェースをiPad版でも再現することが最重要課題だった。
「8週表示時にスケジュール欄が2段になっています。これは2週の相似形といえますが、ちょっと頭の切り替えが必要です」(野口教授)。「超」整理手帳の基本はじゃばら式シートのスタイル。縦に日付が並び、横方向に週が並んだ形である。デジタル端末を用いた場合もそれが広がっていくのが望ましい。このインタフェースを基本にiPadの画面上でスケジュールをどう見せるかを考え、現在のスタイルにたどり着いた。
デジタルだからこそ克服できた点もある。「紙版だとスケジュールが見えるのは最大8週間でした。残りのシートが短くなったりシートの裏に切り替わったりすると、どうしても先の週が見えなくなります。ですが、デジタルならいつでも8週間分の予定を閲覧できます。これは紙にはできなかったことです」。iPad版は、常に8週間先のスケジュールを確認できるという、「超」整理手帳の理想を初めて実現したものかもしれない。
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