シーズンゲームのショールームで見てきた2013年版の製品をリポート。スマートフォンと連係する文房具やiPhoneケースなどをラインアップしていた。
6月7、8日の2日間、手帳メーカーのシーズンゲームは新製品発表会を開催。会場となった東京・台東区の同社ショールームでは、手帳だけでなくスマートフォンと連係する文房具やiPhoneケースなどの新製品を展示した。
今回の最大のトピックは、リフィル版「SHOTNOTE(ショットノート)」の登場だ。もともとメモ帳やルーズリーフ用として登場していたキングジムのショットノートが、システム手帳の各サイズ「ミニ6穴」「バイブルサイズ」「HB×WA5(※)」「A5」リフィルとして登場する。
(※)手帳サイズの新規格で、「高さ(Height)がバイブル(Bible)、幅(Width)がA5」を意味する。
システム手帳用リフィルのショットノートはシーズンゲームのブランド「ASHFORD」向けのもの。同社関連会社の大手手帳メーカーダイゴーが「キングジムさんとお付き合いがあったこともあり、系列のシーズンゲームがリフィルを発売することになりました」(シーズンゲーム営業部向井氏)という。
基本的な機能はキングジム版と共通だが、異なる点もある。ショットノートの特徴は記入面の四隅にあるマーカーだ。もともとスマートフォンのカメラで撮影し、補正をかけることを想定しているため、縦横比が決まっている。メモ帳をはじめとするキングジム版はどれもその基準に合わせている。
リフィル版ショットノートの価格は、ミニ6穴が300円、バイブルサイズが350円、HB×WA5が450円、A5が450円。
そして、システム手帳用リフィルの縦横比は、最初からマーカーの存在を考えて作られたショットノートのそれとはやや異なる。矩形に近いHB×WA5では、ほぼ全面を記入面にできた。しかし縦長のバイブルサイズだと下部分に余白が生まれる。「そこでその部分は、共有しないメモの欄として利用できるようにした」(向井氏)という。4つのマーカーで囲まれた部分は、iPhoneで撮影してクラウドに投稿。共有もできる。そしてマーカーの外側の部分は、共有に適さない個人的な覚書やメモなどに利用できるというわけだ。
1つの情報について、クラウドにあげるものとそうでないものの2つのメモに分けるという新しい使い方が生まれたのだと言える。
システム手帳(バインダー)の新作としては100冊限定の「クロックルガード」が登場した。これは、タイ原産のシャムワニを使った高級品だ。
同社ではかつて20万円クラスのクロコダイルのバインダーを作ったこともあった。「クロックルガード」と名付けた今回のアイテムはそれに続くものだ。国内のタンナーによる仕上げは、コバ(革の断面部)が漆をイメージして赤く塗られていたり、異なるパターンの鰐革を切り替えて使ったりと、アンダー10万円の価格帯ながら、チョイワル的な世界観のにおう逸品になっている。限定品ということもあり、当然ながら扱えるお店は限られる。それでもオンラインショップで全体の1割が売れる予想が立てられると向井氏は話す。
「最近のシステム手帳はどこのメーカーも似たようなものに見えます。まず1万円の価格設定ありきで、それに合わせて商品企画や原価設定をしているのが見えるかのようです。売れていないし安全パイに走っている感じがあります」(向井氏)
クロックルガードの品の狙いは、ずばり、「業界に活を入れること」だという。「そもそもシステム手帳は、人と差別化するアイテムであり、格好をつけるためのもの。そのためにはどうするか? と考えて鰐皮で行こうということになりました」
現在のシステム手帳売り場には、80年代のブーム当時のような超高級バインダーは見当たらない。そしてクロックルガードには、いったんはなくなってしまったかに思える、高級システム手帳バインダー市場というブルーオーシャンを取ろうとする狙いが見える。
クロックルガードの価格はバイブルサイズバインダーが7万8000円、ダイアリーカバーが4万8000円、文庫カバーが5万6000円。
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