無線で使えるモバイルスキャナ4製品を試す――画質比較・その他編Biz.Hacks(2/2 ページ)

» 2014年10月06日 14時05分 公開
[山口真弘,Business Media 誠]
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フル充電から何枚スキャンできるか

 今回試用した4製品はいずれも電源ケーブルをつながずにバッテリーで駆動できる。バッテリーがなくなるまでに何枚程度スキャンできるかは、実用性に大きく関わる部分だけに、利用者としては気になるところ。ここではフル充電した状態で、何枚のスキャンができるかを試してみた。あわせて所要時間を基に1分あたりのスキャン枚数も逆算して表示している。

 読み取り設定はさきほどの画質チェックと同じ300dpiカラーPDFとし、枚数のカウントを容易にするため1枚スキャンするたびに1つのPDFファイルとして保存されるよう設定して実験を行った。なお「DR-P208II」はバッテリー駆動させるためにはオプションのWU10を接続し、さらに別売のバッテリーを追加する必要があり、単体でバッテリー駆動ができる他機種とは方式が大きく異なることから評価対象から除外している。

 「ScanSnap iX100」は、146枚スキャンしたところで電源がオフになった。公称枚数の「フル充電で260枚」に比べるとかなり少ないが、1枚ごとに単体のPDFとして保存するという測定方法の違いが影響している可能性がある。所要時間は約29分で、1分あたり約5.03枚ということで、かなり高速だ。

 「DS-40」は、345枚スキャンしたところで電源がオフになった。メーカーWebサイトではスキャンできる公称枚数が250枚とされているので、実際にスキャンできた枚数のほうがずっと多いが、電池のブランドなどが与える影響が大きいのではないかと考えられる。なお所要時間は約2時間2分で、1分あたり約2.83枚とやや遅い。スキャンそのものよりも用紙セットからスキャン開始までの待ち時間が長く、足を引っ張っている印象だ。

 「MDS-820W」は、487枚スキャンしたところで電源がオフになった。メーカーWebサイトでは約450回スキャンが可能とされているので、ほぼ公称枚数の通りと言える。もともと本製品はPCレスでスキャンする場合はPDFは1枚ごとに保存されるので、今回の実験環境とメーカー測定環境がほぼ同一である可能性が高く、それゆえ近い結果につながったと考えられる。所要時間は約2時間58分。1分あたり約2.73枚のペースで、感覚的には「DS-40」とほぼ同等だ。

バッテリー切れの際の挙動は

 バッテリーもしくは電池で駆動するということは、ケーブルレスでどこにでも持ち運んで使える半面、残量がゼロになると使えなくなってしまうということでもある。それゆえ、スキャン中にバッテリーが切れたらどうなるのか、スキャナが使えないダウンタイムがどの程度発生するのかは、使う側からすると気になるポイントの1つだ。順にチェックしていこう。なお「DR-P208II」はさきほどと同じ理由で評価対象から除外している。

 「ScanSnap iX100」は、バッテリーの残量が一定レベルを下回ると切断され、その時点までのスキャンデータが保存される。その状態のままPCとUSBケーブルで接続した場合、バッテリーがある程度充電されるまではスキャンできず、しばらく待つ必要がある。

 また、USB接続でスキャンを再開した後も、連続スキャン中はバッテリーの減りが充電のスピードを上回るので、どこかでスキャンを一時停止してバッテリーの充電を待たなければ再び切断されることになる。他の製品と異なり、USB接続時もバッテリーの残量に影響される点は注意が必要だ。

 「DS-40」は、電池が一定量以下になると切断され、その時点で読み取っていたデータは保存されずに終了する。つまり仮に30枚の原稿をスキャンするとして、30枚目の途中で電池が切れると未保存の29枚もろともスキャンをやり直さなくてはいけない。残量低下のLEDが点灯したらなるべく少枚数での保存するよう心がけたほうがよいだろう。

 なお、電池が切れた状態でUSBケーブルでPCに接続すると、そのままバスパワーでスキャンを続行できるためダウンタイムは発生しない。また手持ちの単三型乾電池と入れ替えればすぐに利用できるのも優秀なポイントと言える。なおUSB接続で利用する場合は単三型乾電池はなくても構わないので、なるべく軽量化したい場合は電池を抜いて持ち歩くのもありだろう。

 「MDS-820W」は、バッテリーの残量が一定以下になると切断されるが、もともとPDFは1枚ごとに分割保存される仕様であるため、スキャン中にバッテリーがなくなってもスキャンをやり直すのは1枚だけで済む。また、電池が切れた状態でUSBケーブルでPCに接続すると、そのままバスパワーでスキャンを続行できるため、USBケーブルさえ用意しておけばダウンタイムは発生しない。

 なお、本製品はバッテリー(リチウムイオン充電池)が交換式のため、予備のバッテリーを持ち歩いておけばすぐに作業を再開できるが、本稿執筆時点では予備バッテリーは単体では発売されていないようだ。

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