iPhoneにはiPhoneの、PSPにはPSPの――“ノンPC”でのGoogleのカタチとは
ゲーム機やデジタルテレビからのインターネットアクセスは前年比で58.4%増加し、現在も大きな伸びを見せている。多様化する端末に応じた検索のUI最適化についてグーグルが説明した。
「ゲーム機やデジタルテレビからのインターネット利用が、ここ1年ほどで大きく増加している」。グーグルは6月22日、プレス向け発表会を開催し、インターネットアクセス端末の利用動向と同社の検索技術について解説した。
「日本はモバイル端末からのインターネットアクセスが非常に多いことが知られているが、最近はゲーム機やテレビからのアクセスも増加傾向にある」(グーグルの倉岡寛プロダクトマネージャー)
総務省が2008年末に行った調査によると、国内のインターネット利用者数は推計で9091万人。そのうちの6.2%、人数にして570万人が、ゲーム機やテレビからインターネットを利用している。これはPCからの利用者数(7813万人)やモバイル端末からの利用者数(7287万人)に比べるとまだまだ少ないようにも思えるが、増加率でいえば前年比58.4%増もの伸びとなる。
この傾向は、グーグル社内での検索データにも符合するという。「Googleでは、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション3(PS3)やプレイステーション・ポータブル(PSP)向けに検索エンジンを提供しており、これらをローンチした1年前から検索数が大きく増加している」(倉岡氏)
PS3のインターネット検索では、ソニーと共同で検索結果のレイアウトを開発し、「ゲームコンソールに特化したユーザーインタフェース(UI)に仕上げた」。こうしたUI最適化の試みはゲーム機向けだけに留まらない。
「例えばiPhoneで『渋谷 しゃぶしゃぶ』とローカル検索すると、渋谷駅近くでしゃぶしゃぶが食べられる各店舗を電話番号付きで表示するため、気になる店にはすぐに電話をかけられる」
倉岡氏は、「いつでもどこからでも、ユーザーが簡単に情報にアクセスできるようにする。それがGoogleのミッション。今後もデバイスに応じたユーザーインタフェースを提供する試みを行うなどして、検索をよりユーザーの身近なものにしていきたい」と抱負を述べた。
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