ビジネスメールに潜むトラブルの種:若手社会人のためのビジネス文書作成マニュアル(3/3 ページ)
社会人にとって欠かせないのがメール。十分に注意しないと、何気ないフレーズが上司やクライアントを怒らせてしまい、良好な関係が壊れてしまった……なんてことも。これはメールの作法を十分にマスターしていないからです。今回は基本的なメールのルールを紹介します。
返信メールの扱いには注意
忙しいと、新規にメールを作成するのがつい面倒になり、返信メールを多用してしまいがちです。しかし、返信メールの扱いには注意する必要があります。例えば1週間前に受け取った「昨日はありがとうございました」と件名の欄に書いてあった文を変えずにそのまま別の用件のメールに使用してしまうと、受信する側は戸惑ってしまいます。用件が異なる場合は、新規作成するのが最低限のマナーです。
また、メールは会話よりも心に言葉がストレートに入ってきます。普通に書いても「上からものを言われている」ように感じてしまうこともあります。相手がビジネスにおいて同等の、あるいはこちらが優位な立場であっても「相手より自分は立場が少し下」という感覚を持って書くくらいがちょうど良いのです。
気付かぬうちにトラブルに。メール依存の危険性
メールでのトラブルの多くは「誤解が誤解を生んでいる」という負のスパイラルに陥ってしまっているケースです。「意向が伝わっているつもりだったが、実はまったく伝わっていなかった」という小さな積み重ねがトラブルを引き起こします。トラブルの多い人は「メールだけで事が運ぶ」と考えているふしがあります。
「メールで何度もやりとりするくらいなら、直接会って話をすればすんなり解決できたのに」というケースは案外多いものです。メールに依存しすぎずにルールを守り、表現のスキルを身に付けて、メールならではのコミュニケーションのメリットを最大限に生かして使いこなしてください。
POINT
- 社内向け、社外向けのメールの書き方にはそれぞれルールがある
- メールは相対して行う会話よりも、直接相手の心に働きかける。表現には注意が必要
- ビジネスメールは情報の伝達が目的。あいまいな表現は避け、できるだけ具体的に数値に置き換える
- メールは利便性の高い情報伝達手段だが、過剰に依存すると危険
本記事は、『月刊総務』2013年4月号「総務のマニュアル」より転載しました。
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