なぜか低い残業代のカラクリ:ずっと「安月給」の人の思考法(3/3 ページ)
給料を増やしたいと思ったとき「長時間働けばそれだけ給料が増える。残業すればいい」と考えがちですが、本当にそうでしょうか? 給料を増やすには、まず自分の「時給」を把握して、そして会社の給料のシステムをよく知ることから始まるのです。
「年俸制=残業代なし」は大ウソ
例えば「月40時間分の残業代をあらかじめ支払う」という「定額残業制」を取り入れている会社も増えています(みなし残業制と呼ばれることもあります)。この定額残業制では、残業をするしないにかかわらず一定の残業代を支払うため、いくら残業しても残業代は「定額」で、それ以上もらえないと考えている人がいます。
特に年俸制を採用している企業では「残業代が支払われない」のが暗黙の了解になっていることも多々あります。しかしそれは誤解で、想定以上の残業をした場合は、追加で支払われなければいけません。支払わないのは、違法なのです。
そもそも「年俸制」とは、所定労働時間分の給料を年換算で計っているだけです。「年俸制で1年分の給料を事前に取り決めたから、残業代はいらない」ということではありません。プロ野球選手の報酬とは意味合いがまったく違うのです。
「いままで、残業代をもらっていなかった!」
そういう方も多いでしょう。もちろん、支払われるべきお金は支払ってもらいたいですが、それ以前にあなたがそういう事態になってしまった原因を考えてください。それは、あなたに「何となくの知識」しかなかったからです。
残業代に限らず給料にはルールがあり、そのルールに基づいて支払われています。ルールを知らずに「何となくの知識」で生きることがどれだけ怖いことか、改めて認識するべきです。
安月給の思考パターンに陥るな!
上のグラフのように、放っておくと、あなたの給料はどんどん下がっていきます。ルールを知ろうとせず「がんばれば何とかなる!」と考えるのは、まさに安月給の人の思考パターンです。「会社の業績が回復したら、従業員も報われるはず」なんてのも、希望的観測にすぎません。
本連載では給料のルールを解き明かし、何が問題なのか、放っておいたらどうなってしまうのかを解説していきます。
そしてそのうえで「どうすればこの社会で収入を増やすことができるか」「生き残ることができるか」、その方法をお伝えします。何となくの知識では、うまくいくはずがありません。これまでだれも教えてくれなかった給料の真実をお伝えしましょう。
(次回は、「給料はこうやって決まる!」のウソ・ホント について)
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