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「社員食堂が安い!」と喜んでいてはいけない:ずっと「安月給」の人の思考法(3/3 ページ)
求人情報に「3食まかない付き」や「寮完備」などの待遇が書いてあるのを見たことがありますか? 食事を提供してもらえれば食費が浮き、寮に住めば住居費も要りません。しかし、ここで「なんていい会社だ!」と、思うのはちょっと早いのです。
基本給の大きさで、残業代の単価は変わる
お分かりでしょうか? 基本給の大きさで、残業代の単価は変わるのです。だから、残業時間が一緒でも、支払われる残業代は大きく変わってしまいます。
また、ボーナスや退職金も同様に基本給で計算されることがあります。その場合、同じように「ボーナスは2カ月分」だったとしても、基本給が少なければそれだけボーナスも少なくなります。
つまり、支給額が同じでも、それを「基本給」として払うか「家族手当」として払うかによって、残業代やボーナス、退職金などの額が変わるのです。
「家族を大事にしてほしいから家族手当を充実させます」
これは一見、素晴らしい考えに基づいた給料体系のようにも思います。しかし、従業員には不利益になることもあるのです。もし会社がそれを分かってやっていたとしたら……。
企業は、いろいろな事情や理念があって給料体系を決めています。もちろん、家族手当を充実させることが即「あくどい会社」ではありません。しかし、少なくとも労働者の立場から見て、その制度がどういう意味を持つのかは、知らなければいけません。自分の身を守るために、自己責任で把握しておかなければいけないのです。
安月給の人の8つの思考法 まとめ
- 「社員食堂が安い!」と喜ぶ
- 「家族を大事にする会社です」にグッとくる
(次回は、「年功序列は悪! と考える」について)
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