どんな場合でも反対意見を言う:あなたの話の9割は相手に伝わっていません(2/2 ページ)
一般的に、あの人は「頭のいい人だ」というのは、かなりの部分はイメージである。物事の2面性を生かしてどんな場合でも反対意見を出す工夫をすることで、思慮深く知的な人に思われるようになる。
相手の反論は「売り文句」に変えることができる
時と場合にもよるが、相手の反論をそのまま自分の「売り文句」としてしまうやり方がある。仮に物を売っていたとしよう。
「ちょっと今、お金がないんだよね」
「ほかの方もそうおっしゃいます。そのお金のない今だからこそ、もしも手にできたらほかの方に差をつけられます」
という言い回しである。
「まだ、子供も小さいから先でいいんじゃないかしら」
と、教材のセールスをしていて客先から言われた。さて、どうするか。もちろん、
「お子さんの小さい今だからこそ、お勧めしたいんです。と言いますのは……」
と、セールストークをつなげていく。
ときには“屁理屈”に近いところまでいくケースもあるが、「だからこそ」というように、相手の反論をそのまま売り込みの文句に変えてしまうのは、賢いやり方だ。
さらに加えるのなら、反論をそのまま売り文句にするほかに、反論を認めてしまうのもいいやり方だ。
「ちょっと高いんじゃないかな」
「確かに、価格は高いと思います」
「納期がほかより遅いよね」
「ハイ、納期についてはおっしゃるとおりです」
というような言い回しで受けると、相手は拍子抜けしてしまう。なぜなら、多くの場合に、「反論されたら再反論する」というのが普通だからだ。
「高いよね」
「いや、そんなことないですよ」
「納期が遅いんじゃないの?」
「他社ではもっと遅いところがありまして……」
などという感じで、再び相手に反論で返す。それが日常化しているので、相手も「こう言われたら、こうやりかえす」というような対応を考えている。
ところが「おっしゃるとおりです」「そうですね」「そのとおりです」という言い方をしたら、相手は「アレ?」と思うものだ。
そこで、あなたは説明に入っていけばいい。私は、反論克服のセミナーもしているが、そこでは「相手の反論を認めてしまう」のがルールになっている。もちろん、「いわれのない反論」を認めてはならないが。
「噂では、お宅の会社は危ないらしいんで……、今日はなかったことに」と言いがかりをつけられたら、
「そんなことはありません!」
「違いますよ」
「ご冗談でしょう」
と、すぐに反論するのは、言うまでもないことだ。
ポイント
- どんな場合でも反対意見を言うようにする
- 反論されたら、売り文句に利用する。ないし、あっさりと認めてしまう
(あなたの話の9割は相手に伝わっていません=終わり)
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