1つのことに集中する:トップ3%の人の仕事のルール(2/2 ページ)
自分の道を決めるというのは難しいことです。それは、他のことはしないと覚悟すること。何でもやれる可能性と決別するので寂しい気持ちにもなります。しかし、すばらしい能力や可能性も、何か1つのことに集中させないと花が開かないのです。
あれもこれも一流になるのは難しい
テレビで17歳の天才ギタリストを取り上げたドキュメンタリー番組をみたことがあります。彼は、いまでは世界的にも知られ、はじめてのソロコンサートのために、著名なギタリストが作曲した曲が贈られたということです。父親もまたギタリストで、小さいころから音楽に囲まれて育ったといいます。
そんな彼が語った言葉が印象的でした。
「僕がギターを弾くことは、自然なことでした。僕とまわりの人との差は、早いうちに目標を持てたことだと思います。そういう環境をつくってくれた父には本当に感謝しています。もし目標がなかったら、自分はまわりの人とそれほど変わらなかっただろうと思います」
人には、それぞれにすばらしい能力や無限とも言える可能性があります。
でも、自分はたった1人しかいませんし、その人生も一度しかないのです。だから、すばらしい能力や可能性も、何か1つのことに集中させないと花が開きません。
もちろん、まれに何をやっても一流という人もいます。大リーグのニューヨーク・ヤンキースで世界一のチームの4番打者として活躍したバーニー・ウィリアムス選手は、陸上競技の短距離走でも優秀な成績を残し、ギタリストとしてプロのミュージシャンともセッションをしています。
しかし、人生は一度きり。気がついたときには「あとの祭り」になってしまいます。
1つのことに集中すると決めた人は、実はすごい能力を発揮するということを覚えておいてください。
ACTION
「自分が究めたいことは何か」を自問自答しよう
(次回は「できた時点がスタート」について)
著者プロフィール:
石原明(いしはら・あきら)
日本経営教育研究所代表、僖績経営理舎株式会社代表取締役。ヤマハ発動機(株)を経て、外資系教育会社代理店に入社。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立、経営コンサルタントとして独立。現在、中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている
主な著書に『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(中経出版)、『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(サンマーク出版)などがある。
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