ヤマトグループのヤマトシステム開発は1月11日、高い安全性・機密性を保持しながら荷物を配送できる、「デリバリ用BOXサービス」を開発したと発表した。
高い安全性とは「金づちで叩いても壊れない頑丈な箱」という意味ではない。届けたい相手に必ず届き、その人しか開けられない、ということを意味する。ポイントになるのは“荷物の送り手と受け手の両方について、確実に本人だと認証できること”である。
このシステムで、本人認証の鍵として用いられるのが携帯電話だ。携帯電話を用いたセキュリティシステムとはどんなものなのか? システムを開発した営業企画部に話を聞いた。
デリバリ用BOX自体は、アルミニウム合金でできた、34×37×35cmの箱である。防水テストや落下テスト、温度テストなどをクリアした堅牢な作りだ。目に見える鍵は付いておらず、携帯電話で施錠/解錠するようになっている。中にはKDDIの通信モジュールが入っており、ヤマトシステム開発の社内にあるネットワークセンターとパケット通信を行う。通信モジュールの位置情報を使って、箱がどこにあるか、大体の位置を知ることも可能だ。
箱は1つあたり月額基本料5000円でレンタルでき、毎月20回の解錠/施錠(合計40アクセス)までは基本料金内で利用できる。41回目以降のアクセスや、位置問い合わせの際には、それぞれ1回10円の追加料金が発生する。
荷送人はまず、ネットワークセンターに携帯電話またはPHSを使って電話をかける。かけた端末の電話番号はセンターで自動認識され、これが荷送人の鍵となる。音声案内に従い、利用するBOXのID番号と、荷物を受け取る人の携帯およびPHS番号を入力すると、センターとBOX間で通信が行われ、BOXが開く。荷物を入れ、蓋を閉めると箱が施錠される。
荷物を受けとった人は、荷送人が番号を登録した携帯電話からネットワークセンターに電話をかける。かけた端末の電話番号はセンターで自動認識されるので、次に入力するBOXのID番号と合っていれば、BOXの鍵が開く。このときBOXからセンターへ配達完了通知が行われ、荷送人が設定していれば、センターから配達完了通知をメールで受け取れる。
これは法人向けのサービスであり、とくに機密を守らなくてはいけない荷物を社内便として送る際に使われることを想定している。箱の大きさも、A4サイズの角2封筒を折らずに入れられる大きさということで決められた。顧客としては銀行や保険会社などはもちろん、個人情報保護法の施行以降は、個人情報をやりとりする必要がある会社なら業種を問わず引き合いがあるはずと見ている。
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