CeBITのレポートによると、今年もBluetoothハンズフリー関連の展示が活発なようだ(3月13日の記事参照)。欧州では、日本よりも早く運転中の携帯電話利用を規制し、ハンズフリーフォンの使用を義務づけていた。当初はケーブル型のハンズフリーフォンが主流だったが、2003年頃からBluetoothにスイッチしてきている。
昨年11月1日、日本でも道路交通法が改正され、運転中における携帯電話利用の罰則が強化された。警察庁の資料によると、改正後3ヶ月で携帯電話等使用等禁止違反での取り締まり件数は5万5236件だという。
運転中の携帯電話利用は、「しない方が望ましい」のはあたりまえだ。しかし、仕事や生活の都合で、運転中の携帯電話利用を避けられない人たちも多い。特にクルマが生活の足である地方在住者にとって、この問題は切実だ。欧州、北米も「クルマが生活の足」である点は日本の地方郊外と同じであり、東京や大阪など日本の大都市のようにクルマなしで生活できる環境の方が、世界的に見れば特殊だといえる。
自動車メーカーは1990年代後半から「運転中の携帯電話利用」問題を重視しており、ハンズフリー機器を積極的に開発・投入してきた。当初はケーブル接続型だったが、今はBluetoothハンズフリーフォンに積極的。トヨタ自動車、日産自動車がBluetoothハンズフリーフォンを純正カーナビの標準機能にしている。本田技研工業も今年中にBluetooth対応ハンズフリーフォンを投入する予定だ。
しかし、携帯電話キャリア、とりわけドコモとauは、Bluetoothハンズフリーフォンに対して消極的な姿勢だ。ドコモはF900iT、auはW21TとBluetooth内蔵携帯電話をラインナップに取りそろえるが、ユーザーが「好きなモデルを選べる」状況ではない。唯一、複数のBluetooth内蔵携帯電話をラインナップするのがボーダフォンで、これは同社の“国際性”がいい形で現れた結果だ。
iモードなどコンテンツサービスは全国均質なものであり、「東京から発信する」商品企画でも問題はない。しかし、本来、携帯電話は生活密着型の商品であり、都市と地方のライフスタイルの違いを反映する必要がある。ましてBluetoothハンズフリーは、欧州・北米市場を巻き込む「世界的な流れ」であり、ワールドワイドで装備品を開発する自動車メーカーは開発コスト低減効果から、各国の携帯電話がBluetoothに対応することを望んでいる。
ドコモとauは、地方ユーザーのニーズと、世界的な動向にしっかりと目を向ける必要があるのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング