先週、米サンディエゴでクアルコムの「BREW 2005 Conference」が開催された(6月2日の記事参照)。すでに詳しいレポート記事は複数掲載されており、週末に目を通した読者も多いだろう。
BREW 2005 Conferenceの中で、筆者が特に注目したのがBREW上で動くユーザーインタフェース(UI)カスタマイズ技術「uiOne」である(6月3日の記事参照)。
周知の通り、携帯電話のUIは、使いやすさにおいて重要なだけでなく、今では製品のデザインの一部にもなっている。また、ボーダフォンの現行3G端末の不振を見ても分かるとおり、UIにおける失敗は、端末の商品力やユーザーの満足度にも大きく影響する。
しかし、端末メーカーにとってUIは悩ましいものでもある。
洗練されたUIを作るには多大なノウハウが必要である。しかしその一方で、機能の増加やFlash導入など表現力の向上により、UIを含めたソフトウェア全体の開発コストは増大している。
市場の成熟に歩調を合わせるならば、遠からず、携帯電話メーカーは「多種少量」型のラインナップ構築を余儀なくされる。むろん、携帯電話のように開発コストのかかる製品は、単純に多種少量生産に切り替えるのは難しい。クルマと同じく、世界規模での生産数を念頭におき、各市場ごとに「多種少量ラインナップ」とするビジネスになっていくだろう。
この時、問題になるのがUIである。
ボーダフォンの日本市場での失敗でわかるとおり、UIはユーザーのリテラシーの蓄積に裏付けされており、市場ごとに特性が異なる。携帯電話メーカーは、ハードウェアや基本ソフトウェアを「プラットフォーム」として共通化し、UIは市場/ターゲット層ごとにカスタマイズして商品化・投入していく必要がある。「uiOne」のようなUIのモジュール化技術は、今後の市場変化を考えると重要だ。
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