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2005/08/30 01:14 更新


BREWアプリは公開まで、なぜ時間がかかるのか (2/3)


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 このように長い時間をかけ、厳しい審査をする理由は何なのだろうか? KDDIが強調するのは“安全”“セキュリティ”だ。「BREWアプリは(iアプリに比べて)自由度が高く、例えばカメラやバックライトといった携帯のハードウェアとの連動も簡単だ。かなり自由なことができるだけに、コンテンツプロバイダが意図しなくても、インフラや端末に大きな影響を与えてしまう恐れがある。またアドレス帳データなどの重要な情報にもアクセスできるため、アプリがそのような重要なデータを消してしまう、といったことも起こるかもしれない。このような事態に備えて、最低限の安全性を確保しなくてはならない、というのが基本的な考え方」(大村氏)。「携帯ウィルスは今後、大きな問題になっていくだろう。セキュリティは目下、最も重要な緊急テーマ」(渡辺氏)

審査基準は3つ

 それでは、個々のプロセスについて見ていこう。まずはアプリの審査からだ。

 従来アプリの審査基準は明文化されておらず「公序良俗に反しなければOK」という程度の基準だったが、KDDIではBREWアプリのクオリティを上げることを目標に、2005年度から基準を厳しくしている。

 審査の軸となるのは3つ。「ある程度の市場規模が認められること」「アプリの新規性」「実績」だ。

 市場規模とは、ダウンロードが見込まれるユーザーの数。ある程度のユーザー数が見込めないアプリは審査を通らない。新規性は、似たようなソフトが乱立し、結果として個々のアプリのダウンロード数が減ってしまうことを防ぐための審査項目だ。実績は市場規模と少し似ていて、例えば「PlayStationで評判だったゲームのBREW版」などということであれば、BREWアプリの提供が初めてのコンテンツプロバイダでも「実績あり」とみなされる。

 KDDIではアプリの企画書を元に、これらの3つの基準を数値化して合計して得点を出し、この得点によって審査にパスするかどうかが決まる。新しい基準での審査はまだ数回しか行っていないが、大村氏によれば、審査に応募してきたアプリのうち、上位半分くらいがパスするという。

 ただし少々例外なのが、銀行系などのBREWアプリ。利用ユーザー数がすぐには見込めなくても、将来的に有用ということで、必ずしも得点が高くなくても審査を通るという。

100項目以上にもわたる検証項目

 アプリが審査を通ると、いったんコンテンツプロバイダに返され、そこから開発が始まる。審査が今ほど厳しくなる前は、かなり開発を進めてから審査に出すコンテンツプロバイダも多かったが、現在は審査にパスしてから開発に取りかかるコンテンツプロバイダが増えているという。

 今回はBREW3.1に対応した、最新バージョンの検証項目リストを見せてもらった※。各検証項目は大項目、中項目、小項目に分けられ、小項目を数えてみたところ100項目以上あった。

※BREWアプリの検証項目は一覧表としてKDDIからコンテンツプロバイダに配布されているが、原則として一般には公開されていない。

 検証項目は事前にコンテンツプロバイダ側で検証作業を行うものと、KDDI側で検証作業を行うものに分けられる。KDDI側で検証作業を行うのは、ネットワークやセキュリティにかかわるところが中心で、コンテンツプロバイダ側で事前に検証を行うのは、そのほかの部分(画面が正しく描画されるか、テキスト入力ができるか、電源のオンオフがきちんとできるか、など)となる。KDDIでは実際のネットワークを利用してのテストも行う。

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Wordファイルで17ページにもわたる検証項目一覧。細かい字で表がたくさん並び、検証項目は100以上にものぼる

 このように事細かな検証項目リストを渡すようになったのは初期にトラブルが続出したからだという。「BREWアプリが始まってすぐのころ、事前テストをしないでアプリを持ってくるコンテンツプロバイダがあまりに多く、電源オンオフができないような例も多かった。そのため事前に、テストする項目を渡しておくようにしたところ、かなり改善した」(大村氏)「検証項目が多くて、コンテンツプロバイダは大変だが、逆にその分アプリの動作は安定して、エンドユーザーには安心して使ってもらえるようになっていると思う」(渡邊氏)

 BREWアプリの審査・検証は、アプリの数×対応機種数だけ行われるため、全く新規のアプリを検証する場合に比べると、すでに提供しているアプリをほかの機種で検証する場合は、検証時間は短縮される。

審査・検証を早く進めるための「有料検証」

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[吉岡綾乃,ITmedia]

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