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» 2005年09月29日 20時59分 公開

BREWアプリの“売り方”を考える・後編: :日立システムアンドサービス「μVNC」の場合 (2/3)

[吉岡綾乃,ITmedia]

 開発の持田氏が勧めるのは、リュードの携帯電話用フルキーボード「アールボード フォー ケイタイ」を「A5504T」に接続する使い方だ。「PCの操作だと、パスワードの入力1つとっても携帯のキーでは入力が大変。携帯にフルキーボードをつなぐというのは、今までは変だったかもしれないが、ビジネス利用が本格化するに従ってだんだん需要が増してくると思う」という意見には一理ある。

 QWERTY配列のフルキーボードがあることによって文字入力が格段に楽になり、PCの操作も容易になる。ただしアールボードはcdmaOne端末にしか対応していないため、このキーボードを使った時には、WINの通信速度を生かせないのは残念だ。

REUDOの携帯電話用フルキーボード「アールボード フォー ケイタイ」を「A5504T」に接続し、PCにログインしてみた。QWERTY配列のフルキーボードがあることによって文字入力が格段に楽になる(左)。折りたたむと小さくなるので持ち運びにも便利(右)

 持田氏はμVNCについて「BREWでなければ携帯への移植は無理だった」と話す。理由は2つだ。「1つはJavaに比べ、スピードが出せること。特に画面の描画性能は圧倒的に速いです。もう1つはネットワーク。WIN端末なら下り2.3Mbpsのスピードが得られるし、BREWでは利用できるネットワークサービスの自由度が高い。μVNCの場合はVNCプロトコルとSSHプロトコルが必須なのですが、HTTP(S)プロトコルしか利用できないiモードネットワークではそれは無理です。また、通信に使えるポートも制限されています」(持田氏)

 ドコモ版は出ないか、という問い合わせも多く受けるが、上記の理由によりiアプリでの実現は難しい。「M1000であれば、ネットワークの制限がないので実現可能です。Symbian OS版は試作も済んでいて、製品化も考えています」(持田氏)

法人が望む携帯ソリューションとは

 日立システムアンドサービスはシステムインテグレーション(SI)およびシステムサービスを主力事業とする会社だ。PC用ソフトの開発・販売経験は豊富だが、携帯用アプリを手がけたのはμVNCが初めてだったという。「社内を探しても、携帯アプリの(販売)経験がある者はいなかった。ビジネス向けアプリを外に売るという仕組みをそもそも聞いたことがなく、どう売っていいか全く分からなかった」と尾崎氏は話す。

 「社内に携帯アプリを手がけた経験がある者はおらず、導入時にどのような点がポイントになるか、どういった製品が求められているかも全く分からない手探り状態」(尾崎氏)だったが、技術を社内で抱え込んでいても仕方がない。まずは社外へ出してみようということになり、μVNCを、3月28日から法人向けに販売を開始した(3月28日の記事参照)

 ただしこのときは“PCを遠隔操作できるBREWアプリ”として「価格は個別の見積もりで」という販売方法だった。法人向け販売ということもあり、価格や、具体的にどのように導入するかなどは決めず、相談を受けてから個別に決めていこうという方針だったという。

 「もともとのVNCを知っている人もいたりして、問い合わせはいろいろ受けたものの、実際に導入が決まった例はなかった」と尾崎氏は話す。「ただ、問い合わせを受けるうちに、どのような製品が求められているかも少しずつ分かってきた。最初、会社のネットワーク管理者などが導入することを想定していたので、サーバは自分で用意してもらい、アプリを単体でも販売できるような形にしたが、実際には『サーバはいらない、アプリ単体でいい』という人はほとんどいなかった」(尾崎氏)

 サーバ込みのソリューションとしてほしい、という声を受け、7月5日に「ポータブル セキュア ソリューション」という名前で、サーバ構築や、保守・サポートも込みにしたソリューションとして販売を開始した。「そうは言ってもセキュリティが心配」という声を重視し、ネットワークや暗号化システムの構築・保守も日立システムアンドサービスが行うという。オンサイトのサポートサービスも日立電子サービスへ委託して行う。

 また「パケット代が分からないと、ランニングコストにどれくらいかかるかが分からず不安」という意見を受け、現在は適用外の「ダブル定額」「ダブル定額ライト」へも対応予定だ。

個人向けにもリリースしたいが……

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