ワンセグで見られる番組は、基本的に固定テレビ向けに流れているのと同じ番組。いわゆるサイマル放送となる。異なるのは、固定テレビ向けがハイビジョン放送なのに対し、ワンセグは解像度が落ちること。画面サイズは320×240(QVGA)、または320×180ピクセルで、音声も含めたビットレートは約312kbpsとなっている。
またアナログ放送との違いは、次に述べるデータ放送を受信して表示できることだ。
携帯電話での視聴を考えると、映像と同時に送られてくるデータ放送がワンセグの最大の特徴だろう。単にデータ放送を見るだけでなく、携帯の通信機能を生かせるからだ。携帯の場合、画面の上半分に16対9の映像を表示し、下半分にデータ放送(240×480ピクセル)を表示する。データ放送は「数十kbps」(TBSの湯川氏)と低速だが、「固定向けは全画面が映像だが、ワンセグはデータ放送がセット。常に5〜6行のデータが表示されている」のが特徴だ。
データ放送はBMLフォーマットで送られ、端末側はBMLのブラウザで解釈して画面にレイアウトする。BMLはWebでいうHTMLのようなもので、放送用に規定された方式だ。
データ放送部分からはリンクを張ることが可能。1回目のリンクは1次リンクと呼ばれ、映像は消えないままBMLフォーマットの新しいページが表示される。ここからHTMLベースのいわゆるWebページにリンクすることも可能だが、Webページを表示させると映像は消え、全画面がWebページとなる仕組みだ。BMLページは放送局側が管理することになっており、コンテンツ品質を担保している。。
固定向けの民放は、従来のアナログ放送と同様にCM収入を基本とした無料放送。そのサイマルであるワンセグも、基本的に映像の視聴は無料だ。NHKについては、既存のアナログ放送の契約が引き継がれる。
データ放送も受信は無料。ただし、リンクをクリックして新たにページを取得した場合、携帯電話側のパケット通信料がかかることになる。
2006年4月の放送開始に合わせて、少なくともドコモとKDDIは端末を投入する予定だ。ドコモは「P901iTV」(パナソニック モバイル製)を開発済。アナログテレビの受像器も搭載しており、ワンセグ開始前から販売を始めたい意向だ。KDDIは三洋電機製の「W33SA」を開発しており、4月までの投入を目指している。
そのほか、NECが試作機を開発、公開しているほか(2003年7月10日の記事参照)、ボーダフォンもシャープ製の試作機を公開している(5月26日の記事参照)。複数の端末がラインアップするのは間違いなさそうだ。
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