GPSから離れた部分でも、キッズケータイは注目すべき点が多くある。その1つが、子ども向け専用メニュー「キッズiメニュー」が標準設定されていることだ(2003年8月21日の記事参照)。これによりキッズケータイは日常的なコンテンツ利用でも、子どもに安心して使わせられる環境が整っている。これまでの携帯電話とサービスは多数派の一般ユーザーが重視されてきたが、キッズケータイは特定セグメントが重視されたモデルといえる。
「端末とサービスをセットで提供するというのは、ドコモのiモードが先駆けてきた分野で、世界の携帯電話業界に対する革命です。その中で日本は市場の成熟があり、キッズケータイやシニア向けのらくらくフォンのように、特定セグメントに向けて端末とサービスがパッケージ化された製品が必要になってきている」(夏野氏)
2006年、携帯電話市場はMNPで競争が激化する一方で、ワンセグの開始やおサイフケータイの本格普及期突入など、市場全体の拡大と変化も予想される。夏野氏は、携帯電話業界の2006年をどう見ているのか。
「私は日本の携帯電話業界は世界で最も進んでいると考えています。もちろん、1つ1つの要素技術では他国が先んじている例があるかもしれませんが、総合的にビジネスとして大きくなっていたり、総合的にネットワークと端末の連携がとれたサービスという点では日本が先行している。世界に冠たるサービスを、ユーザーに対して実際に定着させるという点で、(日本の)携帯電話業界はリードしている。逆に我々が失速してしまったりすると、世界の進化が止まるという状況にあると思います。
その中で2006年というのは、マルチメディアサービス系の延長として(ワンセグなど)テレビとの連携などがありますけれども、おサイフケータイを始めとする次のステージの開拓が重要になります。一時期、パケット料金定額制の開始で携帯電話業界の成長が止まるといった論調もありましたけれど、マルチメディア系以外の新市場がすでに登場している。新たな基軸が生まれていますので、さらに頑張っていきたいと思います」(夏野氏)
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