ドコモDCMXスタートは強い追い風――三井住友カードに聞く(後編) Interview: (2/3 ページ)

» 2006年04月18日 14時33分 公開
[神尾寿,ITmedia]

 「かなり網羅的に加盟店が広がっていますが、さらに増やしたい分野としてはファーストフードやファミリーレストランがありますね。あと、我々の特徴として少額から高額までカバーするという点がありますから、百貨店やデパートなども重視しています」(楠木氏)

 ファーストフードやファミリーレストランは都市部の需要はもちろん、地方に行けばコンビニエンスストアに並ぶ「ロードサイドの要衝」である。ファミリーレストランではロイヤルホストやサンデーサン系列を手中に収めたQUICPay、すかいらーくグループを獲得したスマートプラスなど他方式リードしているが、今後はiDも加盟店獲得に注力するという。

 また、ロードサイド市場の中でクレジットカード利用が多いガソリンスタンドの関しては、「いくつかの大手とは話し合いをしていますが、ガソリンスタンドは消防法の問題があり、『携帯電話をかざす』というおサイフケータイの利用が難しい」(楠木氏)状況だ。

 一方で、西日本高速道路が九州エリアで始めたSA・PAのおサイフケータイ対応については、「非常に力が入っている」(楠木氏)という(4月3日の記事参照)

 「九州の(SA・PA)導入実験は、三井住友カードとドコモ九州で力を合わせて取り組んでいます。SA・PAは市場としての規模が大きい上に、『少額決済の巣窟』なんですよね。iDの市場規模を広げるという観点では非常に重要です。九州エリアの実験は1年間行われますが、うち(iD)は負けられませんよ(笑)」(楠木氏)

 実際、筆者が九州のSA・PAを取材した時も、三井住友カードとドコモ九州は他の方式よりも積極的なキャンペーンを行っていた(4月4日の記事参照)。iD陣営がロードサイド市場を重視しているのは確かだろう。

DCMXが三井住友カードに与えるインパクト

 4月4日、NTTドコモが自らがイシュアになるクレジットサービス「DCMX mini / DCMX」を発表した(4月4日の記事参照)。ITmediaでも詳しく報じているが、これはターゲットユーザー層の幅が広く、ドコモの営業力が会員獲得に繋がるため、iD陣営にとって強い追い風になるのは間違いない。DCMXのインパクトについて、三井住友カードはどのように考えているのだろうか。

 「DCMXのマーケットに対するインパクトは、かなり大きいと考えています。特に(iDのライバルである)QUICPayやスマートプラスに対して、『圧倒的な差』を示すものと言えるでしょう」(楠木氏)

 DCMXの差別化要素は数多くあるが、その中でも楠木氏が重要だとするのが、今後のドコモのおサイフケータイにiDのアプリがプリインストールされるという点だ。

 「例えばEdyがなぜここまで広まったかというと、やはりおサイフケータイにプリインストールされたです。(DCMXによって)iDのユーザー数は間違いなく爆発的に増えますね」(楠木氏)

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