韓SK TelecomのHSDPAサービス「3G+」をいち早く体験韓国携帯事情(1/3 ページ)

» 2006年06月22日 00時03分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 5月16日、韓SK Telecom(以下、SKT)が、HSDPAサービス「3G+」を開始すると発表した。サービス開始当初は最大通信速度が1.8Mbps止まりだが、アジアでは初のHSDPA商用サービスだ。3G+の開始と同時に、対応端末「SCH-W200」も韓Samsung Electronicsから発売された。3G+の実力と市場の反応、そしてSCH-W200の使い心地をリポートする。

ついにベールを脱いだ3G+サービス

 3G+は既存の料金制度でも利用可能な新サービスとして提供されている。ただし、テレビ電話やインターネット接続が十分に楽しめる料金プランが別途用意されており、そちらを利用した方が得だ。

 6月30日までに加入したユーザーを対象に、9月30日まで運用されるのが「画像」料金制。月額基本料金1万ウォン(約1200円)で7万2000ウォン(約8600円)分(約120分相当)の無料通話が可能な「画像10」、2万ウォン(約2400円)/月で25万2000ウォン(約3万円)分(約420分相当)の無料通話が可能な「画像20」、3万ウォン(約3600円)/月で72万ウォン(約8万6600円)分(約1200分相当)の無料通話が可能な「画像30」の3つがある。

 また「画像」料金制と同様、期間限定の料金プランとして「データフリー」も用意されている。これは1万6000ウォン(約1900円)/月で、データ通信が使い放題となる。

 このほか、やはり6月30日までの期間限定になるが、3G+でのデータ通信料が一律1.3ウォン/0.5Kバイトになるプロモーション従量制料金も提供中だ。これを利用するとゲームや顔文字などをダウンロードしたり、動画を見たりする際のデータ通信料が一律になる。

 3G+を機にインターネット接続をより活性化させようと、データ通信料金は従来より安価に設定されている。

 また3G+の識別番号は「010」で統一される。010以外の識別番号のユーザーは、たとえSKT会員であっても新規加入となり、電話番号が変わる。これは韓国政府の情報通信部により決められている、番号ポータビリティ制度の一環だ。これにより2Gから3Gへ移行する人も、識別番号変更の対象となっているためだ。

唯一のHSDPA対応端末「SCH-W200」は入手困難

 3G+サービスの開始が声高に宣言された5月中旬の週末、電気街として知られる龍山や、大型電気店のテクノマートでは「3G+対応端末、SCH-W200 販売!」という華々しい宣伝合戦が繰り広げられているかと思いきや、広告どころか端末のモックアップもない状態だった。

 携帯電話販売店の店主に尋ねてみても「まだ入手できていません」「入荷予定がありません」と口をそろえる。品薄感を通り越し「販売されていないのでは」との不安感までよぎったが、そう感じていたのは1人や2人ではなかったらしい。携帯ユーザーの情報源であるインターネット上でも「SCH-W200はどこで入手できますか?」という質問が飛び交っていた。

 なぜこのような状態になってしまったのか。販売店で聞いてみたところ「もともと端末が品薄だった」という。

 そうはいっても入荷すればすぐに売れるようで、同販売店でも「5月中旬から6月初旬まで、20台以上は販売した」と話していた。ちなみに価格は40万ウォン(約4万8100円)台。もともとは70万ウォン(約8万4200円)台なのだが、3G技術を採用した携帯電話ということで30万ウォン(約3万6100円)の補助金が出ることになっているのだ。

 最近は3G+の広告も頻繁に見かけるようになったものの、品薄状態は本稿執筆時点でも続いている。なぜ端末が手に入りにくいのかSKTの本音は見えないが、本当に3G+サービスが始まっているのかと、疑問に思わざるをえない状況だ。

PhotoPhoto SCH-W200を前から見たところ。電話番号をダイヤルした後、終話ボタンの上にあるボタンを押すと、テレビ電話として通話できる
PhotoPhotoPhoto 右側面にアウトカメラの起動/シャッターボタンとモバイル放送の視聴開始ボタン、そしてmicroSDスロットが位置する(左)。背面には200万画素のカメラが搭載されており(中央)、左側面にはボリューム調節ボタンがある(右)
PhotoPhoto 写真を撮る際に、フレームをつけたり、エフェクトをかけて色調を変えたりできる。右は分割撮影機能を使って撮影した写真
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