TCA(電気通信事業者協会)は6月27日、2005年度の携帯電話/PHSのリサイクル取り組み状況を発表した。
TCAと携帯電話/PHS事業者は、2005年4月から「モバイル・リサイクル・ネットワーク」を開始し、キャリアや端末メーカーに関係なく、不要になった端末や電池、充電器を、全国に約9300(2006年3月末現在)あるショップなどで自主的に回収している。
このたびTCAが発表した2005年度のリサイクル実績によると、本体が744万4000台(622トン)、電池が657万5000台(132トン)、充電器は358万7000台(259トン)回収された。2005年度の端末の回収台数は2004年度から108万4000台減少し、2002年度の1361万5000台をピークに減少が続いている。
部品 | 2005年度 | 2005年度 | 2004年度 | 2004年度 | 2003年度 | 2003年度 | 2002年度 | 2002年度 |
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回収台数 | 回収重量 | 回収台数 | 回収重量 | 回収台数 | 回収重量 | 回収台数 | 回収重量 | |
本体 | 744万4000台 | 622トン | 852万8000台 | 677トン | 1171万7000台 | 821トン | 1136万9000台 | 746トン |
電池 | 657万5000台 | 132トン | 731万2000台 | 159トン | 1024万7000台 | 187トン | 972万7000台 | 193トン |
充電器 | 358万7000台 | 259トン | 318万1000台 | 228トン | 438万7000台 | 319トン | 335万5000台 | 251トン |
回収台数は減少しているものの、リサイクル率は100%を維持している。金、銀、銅などの希少金属は素材に戻して再利用しているほか、鉄、アルミ、マグネシウムなどもすべて再資源化。金属の精錬過程で発生する副産物は路盤材や消波ブロックの中込材などに利用している。
TCAは携帯/PHSのユーザー2000人を対象に、5月上旬にインターネットで行った、端末のリサイクルに関するアンケート調査結果も公表した。有効回答数は2000人で、男女比は1:1。年齢分布は14歳以下が1.3%、15〜19歳が23.8%、20〜29歳が25.0%、30〜39歳は25.0%、40〜49歳は15.4%、50〜59歳が7.7%、60歳以上で2.0%となっている。
回収台数が減っている理由は、買い換え/解約後も端末を手元に残すユーザーが増えていることに起因することが調査結果から見て取れる。過去1年間に買い換えや解約をしたユーザーのうち、端末を処分した人は34%にとどまっている。
複数回答で端末を手元に置いておく理由を聞くと、写真やメールが残るため「コレクション・思い出として残す」という回答が40%と最も多い。コレクションの内容としては、「写真を残したい」「メールのやり取りを残したい」「着メロ・着うたに思い出がある」「電話の通話記録を残したい」などが挙がり、端末内の情報を残しておきたいことが理由のようだ。ほかにも端末そのものに愛着があったり、デザインが気に入っていたり、端末を集めているユーザーもいる。
また「電話帳」「データのバックアップ」「デジカメ」「ゲーム機」「目覚まし時計」として利用し続けている人もそれぞれ14%、14%、6%、6%、4%と多数いる。またSIM(FOMAカード、USIMカードなど)を入れ替えて利用できる3G端末が増えたことから、買い換え後も新しい端末と古い端末を好みに合わせて使っているユーザーも多いようだ。そのほか、「個人情報が漏れるのが心配」という回答も15%あったほか、「何となく」手元に残している人も40%いた。
端末のリサイクルに関する認知度は約51%と決して高いとはいえない数値。約半数のユーザーは不要になった端末をどのキャリアのショップでも回収してもらえるということ自体を知らないようだ。ただし不要になった端末を「ゴミとして捨てた」人は16%にとどまり、「ショップに引き取ってもらった」人が71%いるため、手元に残しておきたい人以外は機種変更時などに回収してもらっている実態が浮かび上がる。
今後はリサイクル制度の認知度を高めるため、ショップ店頭での案内を強化し、カタログやマニュアルなどでの周知、広告などを引き続き行っていく。ゴミを収集する側の自治体からの周知協力も働きかける。
また端末内のデータを何らかの形で端末以外のもの/メディアにバックアップできるよう、新端末への移行を行いやすくして回収可能性を高める方策を検討するほか、端末内にある個人情報の消去方法を分かりやすく説明したり、店頭で端末を破砕し安心感を高めるなどの施策を打つ予定だ。他社端末を回収する際に生じる、保存データの移行や電子マネーの精算確認などへの対応方法も考えるとしている。
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