連載
» 2006年11月06日 13時15分 公開

法人・個人両方に大きな可能性を持つ“携帯版Gmailアプリ” 神尾寿の時事日想:

高精度でスパムメールを排除し、メールデータベースとしても使えるGmailの携帯向けアプリが、米国で利用できるようになった。日本でもGmailを携帯から使えるようになれば、携帯メールの使い勝手や用途は、大きく変化するはずだ。

[神尾寿,ITmedia]

 11月2日、米Googleが同社の電子メールサービス「Gmail」(まとめページ参照)の携帯端末対応版アプリケーションを、全米のユーザー向けに提供開始した。J2ME対応の携帯電話で利用できる。これによりユーザーはブラウザ経由ではなく、アプリ経由で直接Gmailにアクセスできるようになり、ユーザビリティが大幅に改善されるという(11月3日の記事参照)

 周知のとおり、日本でもcookie、DHTML、SSLに対応したフルブラウザ端末を使えば、携帯電話からGmailにアクセスできる。しかし、使い勝手や操作時のレスポンスを考えると、やはりフルブラウザからのアクセスは不利である。またビジネスパーソンを中心に多くのユーザーにGmailを使ってもらうことを考えても、キャリアの公式サイトから配布されるGmailアプリの登場が待たれるところだ。

モバイルで便利なGmailのデータベース

 実は筆者も“モバイルGmailユーザー”の1人であり、現在はノートPCからアクセスして使っている。ノートPCにメールソフトは入れておらず、モバイルや出張先からはすべてGmailで仕事のメールを済ませている。また携帯電話には直接PCメールを転送せず、携帯電話メールを使うのはプライベートな用途だけだ。

 モバイル環境でGmailを使うのは2つの理由がある。

 1つは“モバイル端末にメールを残さない”ため。携帯電話、ノートPCともにパスワード設定や指紋認証機能によるロックはしているが、紛失・盗難のリスクを考えると、モバイル端末に仕事のデータはあまり残さない方がいい。特にメールは自分だけでなく、連絡を取りあった相手に迷惑をかけてしまう危険がある。これはすべてのビジネスパーソンに共通することだろう。

 2つ目の理由が、Gmailが強力な「メールデータベース」構築ツールである点だ。モバイル端末にメールを残さないことだけが目的であれば、ISPのWebメール機能や数多あるフリーメールサービスでも事足りる。しかし、高い精度でスパムメールを排除し、過去のメールすべてを高速に“ググれる”のは他のメールサービスにない魅力である。

“法人向け”にも可能性がある携帯版Gmail

 使い勝手の点を鑑みて、今はノートPCからモバイルでGmailを使っているが、携帯から利用できるGmail環境が整えばそちらの方がより便利なのは言うまでもない。特にデータベース化されたメールの検索・確認では、圧倒的に携帯電話からの方が役立つはずだ。

 日本でのGoogleはKDDIと提携して、まずは検索サービスをau向けに提供しているが、次の一手としてGmailの携帯版アプリ登場に期待したいところだ。Gmailの便利さ・広まりを考えれば、できれば全キャリアへの提供が望ましい。

 また、Gmailは法人向けの提供も始まっているが、こちらにも大きな可能性がある。Gmailはプライベート用途はもちろんだが、ビジネス用途で活用すると利便性がより光るからだ。特に表示能力などUIに限界がある携帯電話では「選別と検索」が重要になる。携帯電話キャリアとGoogleが手を組み、法人向けとして無料もしくは安価にGmailアプリやGoogle Calendarアプリを提供し始めたら、コンシューマー向け以上のインパクトがあるかもしれない。

 コンシューマー、そして法人市場の両方で、今後のGoogleが携帯電話市場にどのように進出してくるか。期待を持って注目していきたい。

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