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» 2006年11月21日 18時55分 公開

HSPDA通信サービス「T LOGIN」を、地下鉄・バスで試す韓国携帯事情

HSDPAによる通信が可能なのは携帯電話だけではない。韓国ではUSB接続のHSDPA端末を利用するデータ通信「T LOGIN」のサービスが始まった。そのT LOGINを実際に試してみた。

[佐々木朋美,ITmedia]

 “HSDPA端末”といえば音声端末と思ってしまいがちだが、韓国では電話以外の機器でHSDPA通信を利用するサービスが登場した。それが韓SK Telecom(以下、SKT)の「T LOGIN」サービスだ。ノートPCなどでHSDPA通信を可能にするサービスだが、いったいどんなものなのだろうか。実際に試してみた。

プロモーション期間中は端末を無料配布!

photo HSDPA対応のUSB接続モデム「IM-H100」。電波状態を示す4つのインジケーターがある

 データ通信向けのHSDPA端末にはPCカード型のものがあるが、SKTのT LOGINサービスではHSDPA対応の外付けモデム「IM-H100」を利用する。ノートPCやポータブル・マルチメディア・プレーヤーなどにUSB接続すれば、それらの端末でもHSDPA通信が可能となるというユニークなサービスだ。

 T LOGINでHSDPAネットワークにつなぐには、IM-H100をSKT直営店で購入する必要がある。端末は、「IM-」が付くモデル名からも分かるようにPantech製のSKYブランドだ。価格は本来20万ウォン(約2万5000円)程度だが、プロモーション期間中はなんと無料で配布するという太っ腹ぶりだ。SKTの発表によると、T LOGINサービス開始から2カ月程度で会員数は1万5000人程度に達したという。

 現在SKTが提供するHSDPAエリアは、全国84都市。なお、HSDPAのエリア外でサービスを利用する場合は、CDMA2000 1x EV-DOで接続する。

photophotophoto 本体とストラップ、USBケーブル、ドライバCDからなるIM-H100のセット(左)。赤い部分がスライドしてUSB端子が現れる(中央)。USIMカードは側面のスロットに装着(右)

photophoto PCのUSB端子にそのまま差し込めるが、直差しで使いにくい場合は延長用のUSBケーブルも利用できる

 T LOGINサービスは、IM-H100の購入と同時にHSDPA回線を新規契約する必要がある。つまり電話番号が1つ増えるということだ。筆者はすでに、HSDPA端末を1つ持っているが、これとは別に番号を作ることになった。ちなみに、新しく契約した番号はT LOGINサービスを解約すれば、通常の電話番号として利用できる。

photo レギュラーとプレミアムの料金制

 現在の料金プランは「レギュラー」(月額2万9900ウォン/約3800円)と「プレミアム」(月額4万5000ウォン/約5700円)の2種類。それぞれ1Gバイトから2Gバイト相当の無料データ通信量があり、それを越えると従量制となる。今年11月から加入したユーザーは来年3月末まで「プロモーション期間」ということで、無料のデータ量が3〜4倍に増えている。端末無料といい、データ量の無料分といい、加入者を増やしたいというSKTの並々ならぬ意気込みを感じる。いずれにしても、T LOGINへの加入を考えるユーザーにとっては今がもっともお得な期間といえそうだ。

ノートPCでHSDPA

photo 「HSDPAモデムマネージャー」。HSDPAエリアでは、「3G+」の文字が赤く光る。HSDPA接続していると「e」の文字が白く光る

 T LOGINは基本的に、ノートPCやデスクトップPCなどでの利用を想定している。最近では、このサービスに対応したポータブル・マルチメディア・プレーヤーなども出ているが、今回はノートPCでT LOGINの実力を試してみた。

 HSDPAでネットに接続するには「HSDPAモデムマネージャー」を利用する。SKTによるとT LOGINの通信速度は下り最大1.8Mbps、上り最大384Kbpsだ。実際にさまざまなWebサイトを読み込んでみたが、Flashを駆使した凝ったWebサイトもだいたい5秒前後で読み込むなど、ストレスを感じさせない。ただ、途中で途切れることはないが、動画のような大きなファイルでは若干荒さが目立った。

 HSDPAマネージャーでは、単にネットワーク接続だけでなくSMSの送受信や住所録などにも対応している。また、スケジュール管理やアクセス時間および利用データ数の確認、USIMカードのPINコード変更なども可能だ。

photophotophoto SMSは受信すればすぐに画面で確認できる(左)。タイトル一覧から特定のSMSを選んで表示し、それに対して返事を書くことも可能だ(中央)。受け取ったメッセージは、PCかUSIMカードに保存できるようになっている。[1]のアイコンがSIM、[2]のアイコンがPCに保存した目印だ(右)

photophotophoto スケジュール管理画面(左)。アクセス時間や利用データ量は現時点の総計と、日ごとの利用量を確認できる(中央)。USIMのPINコードを変えようとしているところ(右)

電車・バス内でHSDPA

photo 地下鉄内でHSDPAの電波をキャッチ。インターネットもスムーズにできた(右)。バス内でHSDPAを利用しているところ(左)

 HSDPAといえば当然、移動中の高速通信を期待してしまう。そこで、T LOGINが移動中に利用できるか実際に地下鉄やバスに乗って試してみた。

 まずは地下鉄。地下鉄はソウルを南北に横切る3号線内で試してみた。韓国では電車内でも携帯電話がよく通じるので大いに期待していたが、思った通り電波状態も良く、自宅とほぼ変わらないスピードで利用できた。

 さらにバスの中でも試してみた。この日は道路状況が大変良く、バスは快調にとばしていたが、ここでもHSDPA通信が問題なく行えた。急加速する際にWebページの読み込みが若干遅くなる気がしたが、接続が途切れない点は評価できる。

 このように、自宅だけでなく移動中でも利用できるT LOGINは、外出の多い人にはぴったりのサービスといえる。モバイル向けの高速通信としては「WiBro」も挙げられるが、現在はソウル市内でも特定の場所でしか利用できない。そのため、現時点では、より広い範囲で利用できるT LOGINに軍配が上がる。

 ただしWiBroもソウル市内全域で利用できるよう、急ピッチで基地局設置が進められているので、勝負はまだこれからだ。双方がエリア問題を解決できれば、その後は料金や通信品質、コンテンツなどの勝負になりそうだ。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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