5分で分かる、今週のモバイル事情:2月5日〜2月10日
2004年12月に就任したボーダフォンの津田社長が交代、会長に就任する。また、総務省は携帯電話用周波数の利用について「ソフトバンクBBに800MHz帯は割り当てしない」と結論を出した。
ボーダフォン社長交代
2月7日、ボーダフォンは緊急記者会見を開き、人事異動を発表した。津田志郎社長は会長に就任し、代わってVodafone UK社長のウィリアム・ティー・モロー氏が4月1日から社長職に就く(2月7日の記事参照)。
津田社長は2004年12月に就任したばかり。この日、ちょうどTCAから1月の携帯電話契約数が発表され、ボーダフォンの契約が約6万純減していたことが明らかになったこともあり(2月7日の記事参照)、「業績低迷を受けた解任か」という見方もあった。しかし社長と会長の二頭体制は、津田氏自身が望んだ姿だったようだ(2月7日の記事参照)。
800MHz帯はソフトバンクに割り当てられず
2月9日には、総務省から携帯電話用周波数の利用についての結論が出された。新規参入のソフトバンクBBに800MHz帯を割り当てるかどうかに注目が集まったが、結論は、「免許を拒否することが適当」。ソフトバンクの主張は退けられた。
同2月9日にはソフトバンクの決算説明会が開かれた。総務省の決定について意見を求められた孫正義社長は、8日に公表されたパブリックコメントの98%が総務省案に反対する意見だったことを取り上げ、「何のためのパブリックコメントか。公聴会か」と訴えた(2月9日の記事参照)。
翌日2月10日には、同じく新規参入のイー・アクセスが、HSDPA方式で携帯事業に参入することを発表。米Lucent、富士通と共同で、1.7GHz/W-CDMA方式の実証実験を行うことも明らかになった。番号ポータビリティが始まる2006年度中に、商用サービスを始める予定だ(2月10日の記事参照)。
また、東京でPHSサービスを提供している鷹山は、移動体向けの無線LAN方式である、WiMAX方式を採用したIP電話サービスを始めることを発表した。音声通話だけでなく、データ通信も定額で提供する。価格は月額3000円、サービス開始は2005年の12月を予定している(2月10日の記事参照)。
PENCK、ダットエムオー、TT51
2月7日、KDDIはau design projectのWIN端末「PENCK」を発表した。アンテナ内蔵で角のないつるりとしたタマゴ型で、背面に液晶もボタンも付いていない。グラフィックデザイナーのサイトウマコト氏がデザインを手がけた(2月7日の記事参照)。9日に開かれた「EZ Game Street!」の発表会場で、先に発表されていた春モデル、「W31K」「W31SA」とともに実機が披露された(2月9日の記事参照)
9日にはドコモが、おちまさと氏プロデュースの新端末「ダットエムオー」を発表。「P901i」をベースとした端末となる。表参道のブランドショップや公式サイトで、端末やカスタムジャケット、アクセサリーなどを販売する(2月9日の記事参照)。
9日には、ツーカー初のQVGA液晶搭載端末、「TT51」も発表された(2月9日の記事参照)。
さて、来週は?
2月14日から17日にかけて、仏・カンヌで「3GSM World Congress」が開催される。モバイル業界最大のイベントで、どんな製品、サービスが登場するか注目だ。
関連記事
- ボーダフォン社長が交代〜津田氏は会長に
新社長にはVodafone UK社長のモロー氏。津田氏は会長となり、二人三脚で業績回復に当たる。 - 苦境のボーダフォン、社長交代の真相
業績低迷をうけ、社長交代に踏み切ったボーダフォン。現社長の津田氏は現状をどうとらえているか、なぜ組織にモロー氏という新社長が必要だったのか。 - ボーダフォン、約6万の純減──1月契約者数
1月の契約者数で、ボーダフォンが約6万の純減となった。PDCの純減21万9600が影響して契約数が落ち込んだ。 - 総務省、ソフトバンクBBの免許申請を拒否へ
電波監理審議会から、「周波数の割当可能性がないことから」拒否が適当との答申があった。 - 800MHz帯はソフトバンクに割り当てられず
総務省が、800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針を決定した。既存免許人に15MHz幅×2を割り当てる旨が明記された。 - 孫社長「何のためのパブリックコメントか」
ソフトバンクの決算説明会で、孫正義社長が携帯電話の新規参入についてコメントした。今後の対応は明かしていない。 - イー・アクセス、HSDPA方式で2006年度中に携帯参入
米Lucentおよび富士通と共同で、1.7GHz/W-CDMA方式の実証実験を行う。シェア10%が目標。MVNOなども積極的に進めたいとした。 - あれは本当に“パブリック”なコメント?〜イー・アクセス
- つるりとしたタマゴ型、サイトウマコト氏デザイン〜新WIN「PENCK」
au design projectのWIN端末が登場。サイトウマコト氏デザインの「PENCK」(ペンク)は、背面に液晶もボタンもなく、なめらかな手触りの端末だ。 - 写真で見る「PENCK」
au端末向けゲームポータル「EZ Game Street!」の発表会場に、「PENCK」がお目見えした。写真で見ていこう。 - 写真で見る「W31K」「W31SA」
春モデルとして登場する京セラ製「W31K」と三洋電機製「W31SA」が、「EZ Game Street!」の発表会場で披露された。 - おちまさと氏がドコモ端末をプロデュース
TV番組の企画・構成・演出などを手がけるおちまさと氏を、携帯端末プロデューサーに迎える。「先端ファッション的ケータイ」制作を目指す。 - 鷹山、WiMAX方式で定額サービス参入
PHSサービス用の基地局をWiMAX基地局に置き換えて、移動体サービスを提供。自社網内の音声通話や、データ通信を定額料金で提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.