携帯でモノを買うのはどんな人?(2/2 ページ)
市場規模は2000億円以上。前年度比145%と急速に拡大するモバイルコマース市場。ユーザーは若い女性が中心だが、少しずつ変化が現れ始めている。
「2000年のころは、20代後半のお客様が中心で、平均年齢26歳くらいでした。最近は30歳くらいが平均です。以前は25歳から30歳くらいまでのお客様に集中していましたが、最近は『バラけてきたな』と実感しています。今は40代の方も20%くらいいて、『携帯を使って何かをする』層が広がってきていますね」(伊藤氏)
「ユーザーの男女比を見ると、携帯版では3:7ですが、PCでは55:45くらい。モバイルのほうがリアルな市場の姿に近い」と伊藤氏は話す。「グループインタビューなどをしてみても、ごくごく普通の女性が多いです。OLさんや主婦の方も多いですね。OLさんは、PCは使えるが、プライベートでPCを1人1台持っていないことが多い。あとは主婦、とくにPCの前にゆっくり座っている時間が取れない子育て中のママなどにとって、携帯での買い物は非常に便利」
「携帯では子育て中の母親ならではのものが売れる」というのは、Amazonのプロダクトマネージャー平山景子氏だ。「知育玩具など、『おもちゃ&ホビー』の売り上げがいいんです。赤ちゃん向けの商品が伸びています。赤ちゃんを育てている主婦など、ノンPC層であったり、PC所有層であっても『PCの前にいる時間がない』人たちにリーチできているみたいですね」
3G+定額制でユーザーの裾野は広がるか
3G携帯やパケット定額制の普及により、画像の多いサイトでも快適に、しかもパケット通信料を気にせず閲覧できるようになったことも、モバイルコマース市場を後押ししている大きな要因だ。「定額だとじっくり楽しんでもらえるし、画像を多く入れられるので、商品の紹介もより詳細にできる。ユーザーがアクセスする頻度も上がる」という意見はどこのサイトでも聞かれた。
各サイトではユーザーの利用端末についても調査しているが、「3G端末を利用している人が圧倒的に多い。定額制に入っている人がほとんどなはず」という認識は共通している。キャリア別に見ると「NTTドコモ>au>ボーダフォン」という回答も共通だ。「iモードから始まったので、ドコモユーザーが圧倒的に多い。auユーザーも増えている」(伊藤氏)
定額制が普及すれば、若い女性以外にもユーザーは広がっていきそうだ。「とくに主婦は、携帯でメールしかしない。『何かやったらお金がかかるんじゃないか』と不安に思って、Webブラウズなんかしいませんよ。でも、3Gと定額制が普及すれば変わってくるかもしれない。主婦にとっては、PCより携帯のほうがずっと手軽で便利なはずですからね」(S氏)
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