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日本無線、広帯域化対応のモバイルWiMAXシステムを開発
日本無線は20MHzまでの広帯域化に対応したモバイルWiMAXシステムを開発。同システムをベースとする実験システムをすでにNTTドコモに納入済みとし、同社でもさらなる小型経済化を図ったモデルを今後市場投入する予定。
日本無線は3月12日、IEEE Std 802.16eに準拠するモバイルWiMAX通信システムを開発したと発表した。
このシステムは上位ネットワークとの接続と基地局間のハンドオーバーを制御するASN-GW(Access Service Network-Gateway)、基地局装置、クライアント用のカード型端末で構成される。モバイルWiMAX向けとして基地局装置・端末は2048個のサブキャリアをFFT処理(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)できる高速ハードウェアチップを実装氏、20MHzまでの周波数帯域幅に対応可能とした。現在のシステムは無線周波数帯2.5GHz、最大送信電力20ワットとしているが、RF部の変更によりほかの周波数帯(2.3GHz、3.5GHz帯など)にも適用できるとしている。
なお、NTTドコモへこのシステムをベースとしたモバイルWiMAX実験システムをすでに納入済み。同社もスループット特性の評価やハンドオーバー試験、マルチキャストによる動画ストリーム配信などの実験を進めており、よりいっそうの小型化などを図ったモデルを2007年9月をめどに市場投入する考え。
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