100歳以上の人を対象にした研究で明らかに、健康に長生きする鍵(1/2 ページ)

» 2015年10月02日 11時08分 公開
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 日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことを健康寿命と呼びます。

 2001年から2010年で平均寿命は男性と女性でそれぞれ1.48年、1.37年と延びていますが、一方で健康寿命は1.02年、0.97年と平均寿命の約70%の延びとなっています(※)。

(※)厚生科学審議委員会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会「健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料」p26

 医療の発展により、平均寿命がますます延びることが予想されますが、健康な期間だけではなく、不健康な期間も延びることが予想されます。今後平均寿命の延び以上に健康寿命を延ばすことが重要だと考えられています。

テロメアと寿命の関係

 テロメアは、遺伝子などから構成される染色体の両端にある繰り返し配列のことをいいます。細胞が分裂するとテロメア配列が少しずつ失うため、テロメアの長さは、細胞の寿命の目安となります。MYCODEトピックスでもあなたは長い? 短い? 「細胞分裂の回数券」、テロメアの長さとはという記事でご紹介したことがあります。

 今回、慶應義塾大学を含む研究チームでは、1554名の高齢者(100歳以上・684名、100歳以上の高齢者の直系の家族・167組、85〜99歳の高齢者・536名)を対象に、長寿に関係があるとされる造血能、代謝、肝機能、腎機能、テロメア長、各領域のバイオマーカーを測定し、その傾向を調査しました。

 その結果、100歳以上の高齢者とその家族ではテロメア長と炎症という2つの要因で特徴があることが分かりました。

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