理想のベビーシッターサービスって何だろう?経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(2/8 ページ)

» 2015年11月18日 08時00分 公開
[経沢香保子ITmedia]

低価格にこだわった

 だから、どんなときでも、思い立ったらすぐに頼めるよう、お客さまの会員登録は、すべてオンラインで完結させた。お急ぎであれば、その旨申請していただくと、優先的に確認して最短10分で審査を完了させ、利用開始できるように工夫を凝らした。

シッター一覧画面 シッター一覧画面

 そして、たくさんの方々に、気軽に使ってもらえるよう、料金はできるだけ安くしよう決めていた。なので、登録料や月会費は取らず、1時間から利用いただいた分だけの請求にした。

 ただ、人が提供するサービスなので、ベビーシッターさんが満足して働き続ける給与を支払おうと決めていた。何よりも、クオリティーが重要だ。

 そもそもニーズとクオリティーで価格は決まるべきであり、それが働く人にとっての正当な評価だ。シッターさんだって同様だ。なので、時給は、シッターさんの希望額を登録してもらうことにした。そして、随時変更できるシステムを採用した。

 現在、キッズラインに登録するシッターさんは時給1000円〜1500円の価格帯が一番多い。人気が出始めると、価格を上げるシッターさんもいる。

 通常のベビーシッターサービス会社は、入会金が5万円以上で月会費もかかる。利用は1時間あたり2500円以上で、最低3時間利用からとするところが多い。でも、実際には、登録するシッターさんは時給1000円〜1500円程度が相場だ。

 もちろん、そうした会社は長年蓄積されたノウハウがあるから、その分、登録するシッターさんにとっても、利用者側にも魅力はもちろんあると思う。

 ただ、私たちは、シッター利用のハードルを下げるために「リーズナブル」であることはこだわった。プロセスを徹底的にIT化することによって、中間マージンコストを限界まで下げることに挑戦しようと考えたのである。

 そこで、会員であるお客さまから10パーセント、シッターさんから10パーセントの利用手数料をいただくことにした。この概念は、CtoCのサービスだから、シェアリングエコノミーの経済圏として上手に成立させたいとの思いからだ。

 いただいた手数料から、いざというときの3億円の保険加入料と、カード手数料、システム運営費、採用や研修費用を私たちが負担している。

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