注目 タレントマネジメントを導入する企業
インタビュー
» 2016年01月05日 12時00分 公開

タレントマネジメントが注目されるようになった背景 (3/4)

[井口裕右,ITmedia]

タレントマネジメントの実践に“3つの傾向”

――ひとことで「タレントマネジメント」と言っても、その方法には企業によって特色があるのではと思います。企業が実践するタレントマネジメントの傾向を教えてください。

渕田氏: 企業のタレントマネジメントには3つほどの傾向があると思います。もっと言うと「タレントマネジメント」という言葉は、企業によってその解釈が大きく異なるのです。

 1つ目の考えは、限られた人材、選ばれた優秀な人材を「タレント(能力のある人)」とみなすというものです。グローバルで事業を展開している企業、海外に数多くの現地法人を展開している企業の経営層を育てていかなければならないと考える企業、優秀な人材をグローバル規模で適材適所していこうと考える企業に多くみられます。企業の人材を2(将来を担える優秀な人材):6(事業で活躍できる人材):2(業務についていくことが難しい人材)に分けたとき、上位2割にあたる優秀な人材をリストアップしてキャリアパスを提示して育成し、必要なポストに登用していくというものです。

 ただ、この「優秀層だけを選別して施策を打とうとしている」という印象が、多くの割合を占める中間層以下の社員のモチベーション低下につながることを懸念して、こうした企業は「タレントマネジメント」という言葉を使いたがらない傾向もあります。日本の企業は商品・サービスの品質の高さで世界と勝負しているところがあり、この品質を担保するために社員一人ひとりが高いクオリティの仕事を実現することが、競争力の源泉になってきます。その社員のモチベーションを下げてしまっては、企業にとって大きなマイナスになってしまうのです。そのため、あえて「タレントマネジメント」という言葉を使わない企業は複数見られます。

 2つ目の考えは「とはいっても、中間層(6割)も重要ではないか」という考えのもとタレントマネジメントを実践することです。国内マーケットで競争優位性を築こうとする企業に多く、その目的は人材の底上げ、多くの人材を育てることで総合力を高めていこうという傾向にあります。「適材適所」という言葉が多く使われるケースです。これまではポストに対して感覚的に人材を充てていったところを、人材のデータを管理して計画的にやっていこうとしています。この2つの考え方を総合すると、タレントマネジメント=優秀層の選抜・育成であるという世の中のイメージには、少し誤りがあることが分かります。

 3つ目の考えは、この2つの考え方をミックスしたようなもので、国内・海外の優秀な人材はグローバル規模で活用しながら、日本国内では中間層の育成もしっかりやっていこうとするものです。グローバル規模と国内のタレントマネジメントを同時並行的に行っているケースです。こういった3つの傾向は、あくまでも企業の状況やビジネス特性に関係があるものなので、それを認識しておかなければならないと思います。

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