シャープ、鴻海による買収が正式決定 営業赤字は1700億円に

» 2016年03月30日 17時30分 公開
[ITmedia]

 シャープは3月30日、鴻海精密工業による同社買収が正式に決まったと発表した。2016年3月期に1700億円の営業赤字を計上する見通しになったことなどを受け、鴻海の出資額は当初案から、当初の出資額から約1000億円引き下げる形で決着した。

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 シャープは鴻海による買収提案を受け入れると2月25日に発表したが、その後財務状況の精査などから交渉が長引いていた。

 正式契約では、当初約4890億円としていた出資額について、66%の出資比率は維持しつつ、約3890億円に減額。契約は4月2日に結ぶ予定。

photo 一転、巨額の営業赤字に

 シャープが30日発表した16年3月期の連結業績予想では、売上高を前回予想から2500億円減の2兆4500億円とした上、100億円の黒字としていた営業損益は一転、1700億円という巨額の赤字に修正する。

 液晶パネルの販売不振や価格下落に加え、向上稼働率の低下による操業損失が発生しており、在庫について棚卸資産評価減を追加計上する見通しになった上、中国市場での販売不振と販促費増加、国内市場での白物家電の販売不振、太陽電池の価格下落と販売減──を理由として挙げている。

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