震災後、クライストチャーチでは自ら事業を始める若者が増えたという。「ミニストリー・オブ・オーサム(Ministry of Awesome)」はこうした起業家の支援に取り組む非営利組織だ。「素晴らしい省」と直訳されるこの組織だが、行政機関ではない。3人の女性常勤スタッフが起業家たちのネットワーキングイベントやシェアオフィスなどさまざまなサービスを提供している。
スタッフのひとり、エリカ・オースティンは創業の経緯をこう語った。「アイデアを形に変えていくうえで最も大切なのは誰かに話を聞いてもらい、共感してもらうこと。震災後に多くの人たちが自分で何かを始めようとしていた。そこでネットワーキングイベントを始めたのが始まり」
ギャップ・フィラーと同様、彼女たちもポジティブな場をプロデュースするのがうまい。これまでに150回以上開催しているというネットワーキングイベント、コーヒー&ジャム(Coffee & Jam)では、平日のランチタイムに50人ほどの参加者が集まっていた。リラックスした雰囲気の中、コーヒーを片手にパンをかじりつつ事業アイデアについて議論したり、スタッフ募集をしたりする姿が見られた。その場にいた起業家のひとりは、「ここに来ると、ほしいサポートや人がすぐに見つかる。それに1人じゃないと感じられるから、気分が落ち込んだときにやってくるんだ」と語っていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング