「井阪社長の発言にがっかり」「なんで息子の話が出てくるのか」セブン鈴木会長辞任会見(1/3 ページ)

» 2016年04月08日 07時48分 公開
[産経新聞]

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者の会見での一問一答の詳細は次の通り。

――具体的に引退を決意したのはいつか。取締役会ではセブン−イレブンの社長人事についてどんなやりとりがあり、会長の受け止めは

 「役員会の席でも(HD取締役として出席している)井阪社長も発言した。そこでも井阪君は、自分1人でやってきたという発言を繰り返したので、すごくがっかりした。普段は叱責しないような役員も『よくそんなことが言えたものだ』というようなことをいった人がいたのが実態だ。そのような状況で井阪氏を信任してやっていくのは将来に禍根を残すと思い、役員会が終わった後、急遽、引くと言うことを伝え、今日記者会見すると伝えた。村田社長らは引き留めてくれたが、私は先ほど申し上げたように、過去最高益を出し続けてきた。そして今年度もまあ最高益を出せるだろうと思った。1つのお荷物といわれているイトーヨーカ堂もなんとか見通しがつく状態になった。そういうわけでは決して私が逃げ出す訳ではないが、十分納得できた。したがって決めたのは今日だ」

――役員会の採決は

 「取締役は15名で、会社案に反対6、賛成7、白票2だった」

――米投資ファンドのサード・ポイントからは世襲を批判する意見も出ていた

 「なんで息子の話が出てくるのか、社内でも飛び交っていることを聞き、びっくり仰天だ。一言もいったことはないし、息子に対してそんなことを考えたこともない。ましてやセブンイ−イレブンに直接タッチしたわけでもない。技術屋ですから。ですが、それがまことしやかに社内で言われるということはいかに私の不徳のいたすところだと思う」

 「それに私としては、反対票が社外役員を始め、社内の役員からも出るようだったら、私は信任されていないと深く考えた。反対6票、賛成7票、白票2票というのは何ら問題にしていない」

セブン&アイホールディングスの設立記者会見後、握手する役員ら。鈴木敏文会長(左から3人目)、と井阪隆一取締役(当時、左から4人目)。2人の確執が唐突な辞任劇につながった=2005年4月、東京都千代田区
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