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» 2016年07月07日 08時00分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:「英国のEU離脱が実現しないかもしれない」これだけの理由 (4/4)

[山田敏弘,ITmedia]
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キャメロンの後任は第50条を行使するのか

 米国のジョン・ケリー国務長官は、国民投票の後にキャメロンと会談。米国に戻ったケリーは、英国がEU離脱から「引き返す」方法はいくつもあると語ったと報じられている。ただその「方法」については言及していないが、本稿でここまで述べたようなことが考えられるということだろう。

 ただEU側もお人好しではない。欧州委員会の委員長であるルクセンブルグ元首相のジャン・クロード・ユンケルは、英国のEU離脱は「円満な離婚」にはならないと語り、速やかに離脱交渉を行うべきだと主張している。EUのラスボスであるドイツのアンゲラ・メルケル首相も、離脱の決定が「覆されることはないと明確に言っておきたい」と突き放すような発言をしている。

 とにかく注目すべきは、9月に選ばれるキャメロンの後任が第50条を行使するかどうかである。英国の運命が決まるのはそれからになる。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。


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