そうした中で興味深い動きが浮き彫りになってきた。中古PCの台頭である。
一般社団法人情報機器リユース・リサイクル協会(RITEA)によると、2016年度の国内リユースPC(中古PC)の販売台数は、前年並の270万台となった。
MM総研が発表した2015年度のPCの出荷台数は990万6000台。これらを合算すると、新品PCと中古PCを合わせた国内市場規模は1260万6000台で、市場全体に占める中古PCの構成比は21.4%となった。
Windows XPサポート終了の特需があった2013年度は、リユースPCの比率は231万1000台で、市場構成比は12.3%であったが、2014年度は、PCの出荷台数が減少。前年比23.6%減の1260万8000台になったのに対して、リユースPCは前年比16.9%増の270万1000台と増加。構成比は17.6%に達していた。
今回の調査では、リユースPCは前年並みで推移したものの、PCの出荷台数が21.4%減と縮小。初めてシェア20%を超えることになった。
同協会では、使用済み情報機器の廃棄処理よりも、情報機器リユース取り扱い事業者に買い取ってもらった方が、経済メリットがあることや、中小企業を中心に、使用済みPCのデータ消去作業について自信を持てない企業が、データ消去サービスと装置買い取りをまとめて依頼するケースが増加していることで、安定してリユースPCが市場に供給される環境が整ってきたとしている。実際、販売された270万台のリユースPCのうち、39.5%が製造年度から3年以内のものであり、質の高い製品が流通されていることが分かる。
「景気回復基調の中で、高性能化を目指した機器の早期買い換え需要が続いていることも、市場に質の高いリユースPCが流通している理由の1つ」という。PC市場の鈍化を埋めるところにまでは至っていないが、新たな潮流として注目しておきたい。
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