「Galaxy Note7」だけではない! リチウムイオン電池の危険性甲斐寿憲のキニナルモバイル(1/4 ページ)

» 2016年10月20日 11時53分 公開
[甲斐寿憲ITmedia]

甲斐寿憲のキニナルモバイル:

 今やITはビジネスにプライベートに不可欠なもの。特にスマートフォンやタブレット、ノートPCといったモバイル関連は、現代人にとって必須アイテムになりつつある。日常のニュースや何気ない雑談の中にも、モバイルの話題をすることも増えてきているはず。

 本連載ではモバイルを中心とした気になる話題をライターの甲斐寿憲がメーカーや開発者、ユーザーに直撃取材をし「実際にどうなのか?」を検証を交えて紹介。今話題の人気の製品、気になるメーカーの動向を分かりやすく紐解いていく。ひょっとすると、そこに新たなビジネスチャンスのヒントが隠れているかもしれない。ぜひ、大人のITスキルの一貫として役立てていただきたい。


 「航空機内で発煙した」「何もしていないのに発火していた」――。サムスンの新型スマートフォン「Galaxy Note7」(日本未発売)が世界中の事故報告を受け、発売どころか生産を中止して回収の騒ぎになっている。

 問題の経緯はこうだ。Galaxy Note7は、2016年8月19日に発売された直後から、本体の発熱による発火事故が相次いだ。サムスンは全世界での出荷と販売を停止し、「発火の原因は内蔵バッテリーにあった」との見解を発表。全体の7割のサムスンSDI製バッテリーが原因(残り3割はTDKの子会社ATL製)とし、9月上旬から同社製バッテリーを搭載したモデルの回収と交換を実施した。

 だが、事故発生はそれだけでは終息せず、その後10月4日にサウスウェスト航空機の機内でGalaxy Note7の発火事故が発生。対策交換済みのGalaxy Note7が発火したことから、米国の各キャリアは販売を停止。サムスンもすぐに事実上の生産中止を発表し、その後「生産、販売、対策品への交換プログラムの中止」と「全てのGalaxy Note7の利用停止要請」の発表になった。

 この経緯からすれば、問題は最初にサムスンの発表した「リチウムイオンバッテリー起因」ではない可能性もある。しかし「バッテリーまわりの(またはバッテリーに関係する)設計の問題」であったとしても、発火するのはバッテリーには違いない。

Galaxy Note7
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.